
家を建てる際、2階建ての家ではなく平屋を検討する人も多いのではないでしょうか。平屋は1階しかないため移動がしやすく、広めの土地を有効活用して開放的な空間をつくることが可能です。
そこで今回は、最近若い世代にも人気がある平屋の建築費について紹介していきます。平屋と2階建ての家では建築費にどのような違いがあるのか、これから平屋を建てようと考えている方はぜひチェックしてみてください。
目次
■平屋の建築費相場を紹介
■坪単価は2階建ての家とどう違うのか
■平屋の建築費は2階建てに比べて高いって本当?
■平屋の建築費を安く抑えるコツ
■まとめ│平屋の建築費の相場を理解し最適なプランを立てよう
■平屋の建築費相場を紹介

平屋は階層が1階しかないため、一見すると2階建ての家よりもコストを抑えられそうな印象がありますよね?では、実際のところ平屋の建築費はどれほどかかるものなのでしょうか。
ここでは広さごとの平屋の建築費や、建物と土地にかかる費用の関係について紹介していきます。
・まずはじめに
まず大前提として、平屋の建築にかかる費用は施工にあたる業者によっても変わってくるということを覚えておきましょう。大手の施工業者、中堅ハウスメーカー、地域の工務店では施工費用やサービス内容に違いがあるので、その点は見積もりをとり、それぞれの金額を確認する必要があります。
また、業者の違いだけでなく、間取りや設備によっても費用が異なるため、あらかじめ建てる平屋のイメージを業者に伝え、どれほどの費用がかかりそうなのか把握しておくことが重要です。
・20坪の平屋の場合
延床面積20坪の平屋の建築費の相場は1LDKで900万円~1,000万円、2LDK~3LDKだと1,000万円~2,000万円とされています。間取りによって部屋の数が異なり、部屋の数だけ壁や柱といった家の基礎に関わる工事内容も変わるため金額も変動するでしょう。
20坪の平屋だと40畳、およそ67㎡であるため、大人であれば1人~2人暮らし、子供1人を含めた3人暮らしであれば、子供が小さいうちは十分暮らせる広さです。
しかし子供が大きくなってくると次第に窮屈に感じるかもしれません。イメージとしては、大人一人が余裕をもって暮らせる広さという認識でよいでしょう。
・30坪の平屋の場合
30坪の平屋の建築費の相場は1,800万円~2,400万円程となっています。30坪の平屋は60畳、およそ99㎡であり、間取りとしては3LDKが標準です。子供のいる家庭で3~4人家族であれば3LDK、4~5人家族であれば4LDKと間取りも変化するでしょう。
30坪の平屋のイメージとしては、3人家族が快適に暮らせる広さという認識となります。子供の人数によって部屋の数も変わるため、部屋が増えた分リビングや各部屋の間取りも小さくなるでしょう。
家族全員が快適に暮らせるよう、家族やハウスメーカーと相談し最適な間取り設計を行いたいですね。
・建築費と土地代の関係性
平屋の建築費をみてみると、同じ延床面積でも平屋の方が安いことが分かります。しかし、平屋を建てる際注意すべきは、2階建ての家を建てるよりも広い敷地が必要だということです。
家族3人が快適に暮らせる広さである延床面積30坪(約99㎡)の平屋の場合、建ぺい率50%の地域では198㎡(約60坪)建ぺい率30%の地域だと330㎡(約100坪)もの土地が必要となります。
そのため、土地代が2階建ての家よりもかかってしまうことが考えられるのです。また、建ぺい率が50%~80%の地域では2階建ての家が立ち並んでいることが多く、そこに平屋を建てるとなると日当たりやプライバシーを確保することも難しいでしょう。
そのため、平屋を建てるならある程度郊外や住宅が密集していないような地域に建てることをおすすめします。
■坪単価は2階建ての家とどう違うのか

平屋の坪単価はおおよそ40万円~60万円であることが一般的です。しかしこれは業者の施工方法、建物の大きさ、設備のグレードによって変動します。
坪単価の計算方法は『建築費用÷延べ床面積』という式で算出可能です。ここで平屋と2階建ての家の坪単価を比べてみると、2階建ての家は階段部分も延べ床面積に含まれるため、同じ延床面積では2階建ての家の方が坪単価は安くなります。
これだけをみると平屋の方がコストパフォーマンスが悪く思えますが、必ずしもそうではありません。平屋と2階建ての家とでコストに差が生じる部分については後述していきます。
■平屋の建築費は2階建てに比べて高いって本当?

坪単価でみたときに平屋の方が2階建てに家よりもコスト高に感じるかもしれませんが、必ずしも平屋のコストパフォーマンスが悪いわけではありません。あくまで平屋の方が高くなりやすい「傾向にある」ということを覚えておきましょう。
ここでは、平屋と2階建ての建築費でどのような部分で差が生じるかについて解説していきます。
・基礎面積は平屋の方が大きい
平屋は1階部分にすべての居住空間があるため、2階建てと比較して基礎部分の面積が大きくなります。同じ建物面積(建物を真上から見た際の面積)30坪の家を建てる際、平屋は30坪の敷地が必要なのに対し、2階建ては半分ほどの15坪~17坪の基礎部分で十分です。
基礎工事は建築費用のなかでも最も割合が多い部分であるため、基礎工事が増えるとその分全体の建築費用にも大きく影響します。そのため、同じような間取りの家を建てた場合でも、平屋の方が建築費用が高くなる傾向にあるのです。
・外壁や屋根は割高になることも
平屋は2階建ての家と比べて屋根面積や外壁の面積が大きくなりがちです。建物の天井部分を高くして開放感のあるつくりにすることも多いため、その分坪単価も上がるのでしょう。
天井や外壁は建築費用の内訳でも多くの割合を占めるため、平屋の方が建築費用が高くなりやすい傾向にあるのです。しかし、見た目にこだわった平屋を建てるのであれば、ある程度の建築費がかかることは仕方のないことかもしれません。
・延床面積が少なく計算上不利になる
同じ広さの敷地に同じ建物面積の平屋と2階建ての家を建てる際、2階部分がある方が延床面積は広くなります。また、同じような間取り、部屋数の家でも2階建てには階段部分、2階の廊下スペースがあるため、延床面積は広くなるのです。
坪単価を算出する際建築費用を延床面積で割るため、建築費が同じであれば延べ床面積が広い分、2階建ての方が坪単価は「計算上」安くなります。
■平屋の建築費を安く抑えるコツ
平屋を建てる際色々とこだわることで予算をオーバーしてしまうという方も少なくないでしょう。先述した通り、平屋は2階建てに比べて建築費用が高くなりがちです。しかし、工夫次第で平屋の建築費を安くすることもできます。
・外観(家の形)をシンプルにする
・屋根の高さを抑える
・ムダな部屋をつくらない
・廊下を減らす(つくらない)
・設備のグレードを下げる
これらの工夫で建築費を大幅にカットすることも可能です。しかし、コストを下げることを意識しすぎることで暮らしの質を下げてしまわぬよう注意しましょう。
■まとめ│平屋の建築費の相場を理解し最適なプランを立てよう

平屋は2階建ての家と違い、生活スペースがワンフロアで完結しています。建物の大きさは2階建ての家と比べて小さいかもしれませんが、平屋の方が広い土地が必要になるため、土地代がかかるのも事実です。
しかし、建築費ついても屋根や外壁、間取りによっては平屋の方が割高になることがあります。そのため、通常の2階建ての家と同様に予算を決め、無理のない範囲で家づくりをしていきましょう。
今回の記事で紹介したような平屋の建築費を安く抑える方法もあるので、快適さを保ちつつ、コストを抑えられるところについてはよく検討してみるとよいかもしれません。