目次
「新居では趣味でピアノを楽しみたい」
「子供の教育のためにピアノを置きたい」
間取りの検討をするとき、このように思う人もいるでしょう。
同時に、こうも思うのではないでしょうか。
「どこに置いたらいいかな?注意した方はいいことはあるかな?」
本記事では、まず種類ごとにピアノの解説をします。
さらに、「どこにピアノを置くべきなのか、気をつけるべきことは何か」それぞれ解説をすることでピアノの設置に関する疑問を解消します。
最後まで読んで、適切な場所にピアノが置けるようになりましょう。
・ピアノの種類ごとに特徴が分かります
・ピアノを置くのに適した位置が分かります
・ピアノを置くときに気をつけるべきことが分かります
目次
■ピアノの種類を確認しましょう
■ピアノを置く場所を決めましょう
■ピアノを置く時に気をつけるべきポイント5つ
■まとめ│設計段階でピアノの置き場所を確定しよう
建築実例
ピアノの種類を確認しましょう
自宅にピアノを置きたいなら、「どの種類のピアノを置くのかを明確にして」設計士に伝えましょう。
「自宅にピアノを置きたいんです」
このように設計士に言ったとしましょう。
あなたがピアノといえばグランドピアノと思っていても、設計士はアップライトピアノを想像しているかもしれません。
結果、設計士から提出された第一案の間取りを見てあなたは落胆してしまうでしょう。
極端な例で、どの種類のピアノかを確認しない設計士が悪いですが、明確にピアノの種類を伝えないと認識に違いが生まれてしまいます。
置きたいピアノの種類は何か、どのように使用するのか、これらを詳しく話すことで、設計士に要望は伝わります。
どんなピアノが欲しいのか、大きさや特徴を確認して設計に活かしましょう。
グランドピアノ
- 重量:250~400kg
- 横幅:150cm
- 奥行き:150~200cm
- 高さ:100cm
意外と高さはありませんが、奥行きがあるので、部屋を正方形に切り取る形になり、ピアノだけで1室を占領してしまうこともあります。十分な余裕をもって設置しましょう。
アップライトピアノ
- 重量:200~250kg
- 横幅:150cm
- 奥行き:70cm
- 高さ:120cm
一般的な住宅置かれることが多いピアノです。
アップライトピアノはグランドピアノに比べて奥行きがなく、演奏時以外は場所を取らないことが特徴です。
電子ピアノ
- 重量:40~80kg
- 横幅:150cm
- 奥行き:40cm
- 高さ:100cm
アップライトピアノより場所取らず、音量の上げ下げが自由など、利便性の高いピアノです。
搬入や移動も、大人2人いれば可能なので、将来場所を移動する可能性がある場合おすすめできます。
余裕をもった設置計画を
ピアノの置き場所を決めるときは「余裕をもった置き場所」を確保しましょう。
その1点目の理由は「演奏時、イスに座るためのスペースが必要」ということです。
ピアノの設置場所を考えるとき、本体を設置することのみ考えてしまい、イスに座って演奏することを想像していないことがあります。
結果、演奏中は家族が背後を通りづらくなり、演奏者も移動の邪魔になることに対して心苦しくなってしまいます。
2点目の理由は、「調律用のスペースが必要」であることです。
グランドピアノは鍵盤の先にある「アクション」という機構をメンテナンスするために、鍵盤を手前に引き出すためのスペースが必要です。
また、高音側の調律を行うために、向かって右側にもスペースを確保しなければいけません。
アップライトピアノの場合も、右側を空ける必要があります。
上蓋を開く必要もあるので、上蓋の高さに合わせて棚を設置している場合は、メンテナンスを行うたびにピアノを移動すしなければなりません。
日々の掃除や湿気対策の観点からも、ピアノの周囲に、ある程度の間隔は確保しておくべきです。
設計段階でピアノの設置場所をジャストサイズにすると、後悔につながるので注意しましょう。
ピアノを置く場所を決めましょう
ピアノは一般的には「リビングか子供部屋」のどちらかが推奨されます。
実際、グランドピアノを防音室に置く場合を除いて、リビングか子供部屋に置く場合が多いようです。
その理由を確認しましょう。
リビングに置く理由
リビングにピアノを置くと、「使用率が高く」なります。
ピアノの設置が趣味目的であっても、子供の教育目的であっても、過ごす時間が長いリビングに設置すると、「時間が空いたからちょっと使おう」という気持ちになり、自然に演奏回数が増えます。
子供部屋
「ピアノに集中して欲しい場合」に子供部屋に置くこととなります。
親や兄弟が演奏を聞いていると、つい気になりますが、自室にピアノがあると演奏に集中することができます。
特にピアノを練習し始めた頃は自信がなく、他人を気にせず安心して弾ける環境があるとピアノの上達につながるでしょう。
防音室
夜間に消音装置を使用せずにピアノを演奏したいなど、「本当にピアノに集中する場合」は防音室の設置も検討しましょう。
ピアノは特に低音が、キャニスターを通じて床・壁・天井に響いていきます。防音室は床や壁に空気層を設け伝播する音を軽減するので、音漏れの軽減が可能です。
防音性能や施工会社にもよりますが、100万円~の費用を要するので簡単に導入は難しいです。
ただ、主要な趣味の1つである場合や、子供が長くピアノを続ける場合は検討の余地があります。
ピアノを置く時に気をつけるべきポイント5つ
ピアノは一度設置すると動かすことが困難なものです。
設置の際に「気をつけておくべきポイントを5つ」にまとめました。
ピアノの存在感
電子ピアノでも、家具として見た場合に寸法も、黒や茶色の重めの色も、「大きな存在感を持ちます」。
空いたスペースにピアノを置くのでなく、事前にピアノの設置用のスペースを指定することで部屋に馴染んでピアノを置くことができるでしょう。
事前に置き場所を指定することで、調律用のスペースを確保することにもつながります。
温度・湿度対策
急激な温度変化や、湿度が多くなる場所には置かないようにしましょう。
ピアノはたくさんの木材・金属で構成されているので「急激な温度変化や過度な湿度に弱い」楽器です。
エアコンの直下・直近でないか、直射日光が当たらないかなど、温度と湿度に配慮した置き場所を決めましょう。
照明・コンセント
照明とコンセントの位置も先に決めておきましょう。
ピアノに向かったとき初めて、ピアノと照明の間に自分がいて楽譜が暗くなることに気づく場合があります。
電子ピアノを設置したとき、コンセントの位置が通路を横断していることもよくある話です。
設置のことだけでなく、使用時のことも想定しましょう。
重量対策
先述したとおり、ピアノは家具の中でも特に大きな重量を持っています。
設置したときは問題がなくでも、段々と床が沈む可能性もあります。
設計時に置き場所を確定して、床の下地や束(床の支え棒)を増やすなどの対策を取りましょう。
搬入対策
ピアノは搬入のことも考えておきましょう。
重量もさることながら寸法も大きなピアノは、開口部が小さくて室内に入れられないトラブルが起きやすいです。
1階に設置する場合でも搬入が困難ですが、2階の子供部屋に搬入する場合は、「階段が通れるか」通れない場合は「クレーンで2階の開口部から直接搬入できるか」を検討しておきましょう。
まとめ│設計段階でピアノの置き場所を確定しよう
新築住宅でピアノを置きたい場合にどこに置くべきか、置く場合の注意点は何か、それぞれ解説しました。
ピアノは趣味として、子供の教育用として、さらに家族間や来客とのコミュニケーションを促進する、家の大事な構成要素です。
「設計段階で置き場所をしっかり考えて」、ピアノと一緒に満足した生活を送れるようにしましょう。
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