住宅の断熱性能や省エネ、創エネ性能を高めて住宅のエネルギー消費量を最小限にするZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)。
先日(今年10月)の臨時国会で菅義偉首相は、所信表明演説の中で「2050年までにカーボンニュートラル=脱炭素社会の実現をめざす宣言」を行いましたね。
欧州各国やカナダ、ニュージーランドなど他の先進国から少し遅れた形での宣言となりましたが、世界に向けて明確な意思を発信したことで、来年以降のZEHをはじめとする住宅の低炭素化、省エネ化の推進力が強まるのではと期待が高まっています。
今回は、脱炭素社会に向けて改めて住宅の省エネ、低炭素化の意義について考えてみたいと思います。2021年度のZEH補助金の見通しについても最新情報を集めました。
これから新築を建てようという方は、今後新築住宅の標準となるであろうZEHについてぜひ最新情報を知っておきましょう。
ZEH住宅の基本知識は過去のコラムで詳しく解説しています。
ネクストハウスコラム|【解説】ZEHとは?ZEH住宅で暮らしが変わる
目次
■ZEH住宅の意義と目的
■創エネで低炭素化を補助するという考え方
■ZEH住宅への2021年度の補助金は?
■ZEH住宅は「ZEHビルダー/プランナー」と建てよう
■まとめ|住宅の省エネ化はこれからの住宅に必須
■ZEH住宅の意義と目的
・住宅の低炭素化で光熱費も大きく節約
ZEHに限らず、住宅の省エネ化・低炭素化は世界全体で共通して取り組むべき課題とされています。日本の住まい(家庭部門)からのCO2排出量は1世帯あたり年間約3.4t。日本のCO2排出量のうち16%と大きな割合を占めています。
特に、暮らしの中では給湯(24%)、暖房(22%)、照明・家電製品(47%)でエネルギーの大半が使われています。居住中のエネルギー消費を減らすことは、CO2削減に大きく貢献します。
住宅の低炭素化に有効なのは、断熱性能を向上させることです。
冬には住まいから逃げる熱を減らし(断熱)、夏には住まいに熱が入らないように遮熱します。
具体的には、壁、天井、床などに断熱材を施工し、窓は複層ガラスを使用して断熱性を高めます。同時に、これらを隙間なく施工する気密性も重要になります。
また、夏場は窓から入る日射熱を防ぐため遮熱ガラスを場所に応じて施工したり、庇や軒を利用して日射を遮ることも重要です。
このように、室内の温度を屋外の温度にかかわらずなるべく一定に保ち、冷暖房のエネルギーを減らすことが断熱の目的です。
さらに、省エネ性能の高いエアコンやエコキュート・エコジョーズなどの省エネ給湯器、冷暖房時の換気で熱ロスの少ない熱交換換気システムなど、高機能な設備を導入することでより省エネ効果が高まります。
・地球への貢献と快適な家を両立する
住宅の脱炭素化、地球環境を守るというと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、断熱性能の向上は私たち自身の暮らしにも大きなメリットがあります。
断熱性能の高い住宅に転居したことで、アレルギーや高血圧性疾患、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、糖尿病や心疾患などの有病者が減少したという研究結果も出ています。
断熱性を高めることで、
・結露が減りカビやダニの発生が抑制される
・高性能エアコンや24時間換気によって空気の質が改善される
・遮音性能が高まりストレスが低減する
・心理的な安心が高まる
などの様々な効果が合わさって、健康にも良い影響を与えると考えられています。
また、結露に代表される住宅を傷める原因となる問題が少なくなるため、家の耐久性も向上し、より長持ちする家になります。
メンテナンスや補修のスパンが長くなり、費用もこれまでよりも少なく済むことが多いので光熱費と合わせてランニングコストを大きく削減できるのです。
■創エネで低炭素化を補助するという考え方
ZEH住宅、省エネ住宅というと「太陽光発電」がメインというイメージを持つ方も多いと思います。
しかし、省エネ住宅はより発電量の多い(kW数の多い)太陽光パネルを搭載すればよいのか?と言えば、それだけで良いわけではありません。
平均的な家庭では、太陽光発電で作った電気のうち、3割程度が自家消費、7割程度が売電になります。
売電制度開始当初よりも太陽光発電の売電価格は低下していること、エネルギーの地産地消やレジリエンスの観点に基づき一定以上の自家消費、災害(停電)に備えた機能を持たせることが求められていることなどから、電気を作れば作るほど売電でプラスになると一概には言えなくなっています。
つまり、省エネ住宅は太陽光発電の力をメインにするのではなく、住宅自体の省エネ性能(断熱性、気密性、高性能省エネ設備、換気)を上げて住宅が消費するエネルギー自体を減らすことがより重要になってきます。
■ZEH住宅への2021年度の補助金は?
冒頭で触れたカーボンニュートラル宣言に基づき、日本ではより一層あらゆる分野でのCO2削減政策の実施が加速されていくことでしょう。
これまで、省エネ計画に対して達成が遅れがちだった新築住宅の分野でも、より確実に数値目標を達成できるような支援策が行われることが業界でも期待されています。
2020年10月の環境省の概算要求では、前年度までも実施してきた「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」に対して65億5千万の予算要望を出しています。
1戸あたりの補助額は、前年同様ZEHで60万円、ZEH+で105万円を予定し、家庭用蓄電池やCLTへの補助も引き続き行う予定とのことで、来年度も引き続きZEH住宅新築に対しての補助金が受けられる見通しです。
また、2020年12月4日の来年度予算編成諮問会議でも、「脱炭素化社会の推進のためZEH支援策の抜本的な強化」に対する提言がありました。
新築住宅を2030年までにZEH標準化するという目標を前倒しすることや、既存住宅のZEH化にも目標を導入することも提案されたようです。
参考HP:住宅産業新聞社
■ZEH住宅は「ZEHビルダー/プランナー」と建てよう
ところで、ZEH住宅はどの住宅会社・建築会社でも建てることに制限はありません。しかし、ZEH住宅を建てるためには数々の性能を達成するための設計力や施工力、ノウハウが必要です。ご自身が家を建てようというその時点で、建てたい会社がZEH住宅建築に関するノウハウを持っているかどうかは、「ZEHビルダー/プランナー制度」で調べると分かり易いです。
ZEHビルダー/プランナーとは、「自分の会社で建てる具体的なZEH住宅戸数の目標」を掲げ、達成努力をしている住宅建築会社や住宅関連事業者を指します。平成30年1月現在、全国のハウスメーカー、工務店を中心に6,303社がZEHビルダー登録を行っています。
一般社団法人環境共創イニシアチブ「ZEHビルダー/プランナー一覧」
・ネクストハウスはZEHビルダーに認定されています
ネクストハウスは、ZEHビルダーの認定を受けた住宅会社です。新築住宅の低炭素化を目指し、1年中快適な高断熱住宅、耐震性、耐久性が高く省エネ性能の高い家づくりについてこれまでノウハウを積み重ねてきました。
ネクストハウスの住宅の省エネ化に対する考え方はこちらでお読みいただけます。
「ネクストハウス|2030年に義務化される未来基準・省エネの家を。」
住まいを取り巻く現状を正しく捉えた上で、住む人の幸せと地球全体の幸せを守るための家づくりを行っています。
■まとめ|住宅の省エネ化はこれからの住宅に必須
ZEHをはじめとする省エネ住宅は、住宅の低炭素化で消費エネルギーを削減し地球環境に貢献するとともに、快適な住環境と省エネな暮らしを実現します。
新築を大量に建てる時代でないからこそ、長持ちして何世代も安全に、快適に住み継ぐことができる家を建てることが重要と考えています。
ZEH住宅、低炭素住宅を川崎市、そして神奈川や東京で新築をお考えの方は、ぜひネクストハウスにお任せください。