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間取りの鍵を握る「階段」|おすすめのレイアウトは?

住宅の間取り計画を考える上で「階段」は後回しにされがちです。しかし階段は意外とスペースが必要な空間で、間取りにも大きな影響を与えます。本記事では、階段の間取り計画のコツやおすすめのレイアウトについてご紹介していきます。これから新築計画をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

コラムのポイント

・階段の間取り計画ポイントが分かります。

・おすすめの階段間取り計画をチェック!

階段の基本をチェック

ここではまず、階段の基本情報をチェックしておきましょう。「必要な寸法」「必要な畳数」など、最低限守るべきポイントを押さえておけば、後の計画もスムーズになるでしょう。

階段の寸法

建築基準法では、階段の寸法について規定が定められています。ここでは、具体的な数値をご紹介します。

  1. 高さ(踏段の高さ): 踏段の高さは最大230mm以下とされています。一般的な住宅では、踏段の高さは150mm程度が一般的です。均等に分割された高さの踏段を持つことが求められます。
  2. 幅(横幅): 踏段の幅は最低750mm以上とされています。ただし、快適性や安全性を考慮し、一般的な住宅では800mm以上の幅が好まれます。
  3. 踏面(奥行): 踏段の奥行は最低150mm以上とされています。ただし一般的な住宅では300mm以上の幅が好まれます。
  4. 手摺(手すり)の設置: 建築法規では、階段には手すりの設置が求められています。一般的な住宅では、手摺の高さは900mmから1000mm程度で設置されます。

これらは一般的な目安であり、具体的な建築計画では建築士や専門家に相談し、地元の建築法規を遵守しながら最適な寸法を決定する必要があります。建築基準法の数値はあくまでも最低ラインなので、実際の住宅では余裕を持った寸法にすることが求められます。

階段に必要な畳数

「結局のところ、階段には何畳、何マス程度の面積が必要?」と思われるかもしれません。最も省スペースな階段の場合、「2畳程度」のスペースがあれば設置可能です。

しかし階段に必要な畳数は、階段の形状や寸法、階段の段数によって異なります。「階段を移動スペースと考えてなるべく面積を節約する」、「インテリアの一部としてあえて目立たせる」など、目的とするスタイルによって適した方法が違ってくるのです。

階段の種類

ここでは、階段の主な種類についてご紹介します。住宅の階段には様々なスタイルがあるので、好みの形状を選んでみてはいかがでしょうか?

直階段

直階段は、最もシンプルで基本的な形状の階段です。その名の通り、階段が直線的に上下に伸びている形状を指します。直階段は多くの住宅や建築物で利用されており、実用的な形状として人気があります。

直階段はシンプルなデザインであり、空間にすっきりと馴染みます。直線的な形状は、モダンでクリーンな印象を与えることができます。またスペースを有効に利用できるため、狭いスペースにも適しています。階段の踏段や手すりを最小限に抑えることで、広々とした空間を確保できます。

直階段は上り下りが直線的で、昇降がしやすい特徴があります。特に、高齢者や身体的に制約のある人にとっては、安定感があり使いやすい形状です。構造的にも安定しており、頑丈な造りとなっています。

ただし、直階段にはいくつかの注意点もあります。例えば、スペースの制約がある場合や、曲線的なデザインを求める場合には、他の階段の形状を検討する必要があります。また急な勾配や狭い幅員の場合、昇降が不安定になる可能性があるため、安全性を考慮しなければなりません。

かね折れ階段

かね折れ階段は、L字型の形状をしています。直階段と比較して少ないスペースで済むため、場所を節約することができます。特に、狭いスペースや隅に階段を配置する場合に有効です。

かね折れ階段は、踏段や手すりがしっかりと配置されるため、昇降の安定性と安全性が高いです。階段の曲がり角や踏段のサイズ、手すりの配置など、人の利用を考慮して設計されています。

ただし、かね折れ階段にはいくつかの注意点もあります。例えば、曲がり角や段差の変化があるため、昇降中の安全性やバランスに留意する必要があります。また設計や施工には高度な技術や注意が必要であり、専門の建築士や工務店の助言を受けることが望ましいです。

回り階段・螺旋階段

スキップフロアの書斎

回り階段は、ぐるりと円を描くような形状をしています。一般的な住宅では、2畳のスペースにコの字型で計画されている間取りが多いです。

回り階段は中央の柱や支柱を中心に階段が回り込む構造を持っているため、階段自体がコンパクトに配置されます。そのため、階段のスペースを最小限に抑えられるのがメリットです。

踊り場が設けられることで、万が一の転落時にも途中で止まりやすく安全性も高くなります。

円形の「螺旋階段」の場合は、独特の曲線的な形状によってエレガントで美しい印象を与えます。特に大型の建物や豪華な住宅において、回り階段は高級感や優雅さを演出する重要な要素となります。

階段の位置で多いパターン

ここでは、階段の位置で人気のあるパターンをご紹介します。ご自宅の間取りに合う場所について、ぜひ検討してみてください。

①玄関の横

階段を玄関の横に配置するパターンは、一般的な住宅の間取りでもよく見られる配置です。階段を玄関の横に配置することで、空間を効果的に活用できます。

階段が玄関の横にあると、玄関へのアクセスが便利になります。入口からすぐ近くに階段があるため、家の出入りがスムーズに行えます。

またリビングやダイニングなどの主要な居室との間に階段があることで、仕切りの役割にもなります。これにより来客時や家族が集まる際にも視覚的に分離され、プライバシーが確保されます。

②ホール

階段をホールに配置することで、ホールが家の中心的なスペースとなります。階段が目立つ場所に配置されるため、インパクトのあるデザインや手すり、照明などを取り入れることで、ホールが一層魅力的な空間となります。

また、各階の部屋との視覚的なつながりが生まれます。ホールから各部屋へのアクセスがしやすくなり、家族の移動がスムーズに行えます。階段周辺の窓や天窓を設ければ、自然光が階段とホールに広がり、明るく開放的な雰囲気を作り出すことができます。また、窓を開けることで通風も促進されます。

③リビング階段

>施工実例:平屋スタイルのモデルルーム

階段をリビングに配置する「リビング階段」は、近年人気の高まっている間取りパターンの一つです。

リビング階段は、リビングルームとの一体感を生み出します。階段がリビングに面しているため、開放感があり、広々とした空間を演出することができます。家族やゲストが集まるリビングルームの中で、階段を中心に活気のある雰囲気になるでしょう。

リビング階段は、デザインや素材、手すりなどの要素を工夫することで、インテリアのアクセントとなります。美しい階段のデザインや手すりの配置、照明の演出などを取り入れることで、リビングの美しさや個性を引き立てられます。

またリビングの階段を使って上下の階を行き来することで、家族の会話やコミュニケーションが活発になります。子供たちが階段で遊ぶこともあり、家族の絆を深める機会となるでしょう。

階段の間取り計画注意点

階段の間取り計画の際には、いくつか守るべきポイントがあります。新築計画時には、ぜひ押さえておきましょう。

空調への影響

階段は上下階を繋ぐ「吹き抜け」とも言えるため、空調への影響に注意を払うことが重要です。

たとえば階段がリビングルームに面している場合、上下の階の空気がリビングに流れ込む傾向があります。このような配置では、階段周辺の空気の動きや温度差に注意が必要です。空調設備の効果的な配置や風向きの考慮、階段周辺の温度調整などに配慮しましょう。

階段下スペースの活用

階段下スペースは、住宅の間取りにおいて有効に活用できる空間です。具体的には、収納スペースとして活用されることが多いでしょう。カスタムメイドの収納棚や引き出しを設置して、季節用品、家庭用品、書類、趣味の道具などを収納することができます。スペースを有効に使いながら、部屋の片付けや収納の効率化に役立ちます。

またコンパクトなスペースを生かして、トイレやワークスペース等にすることもあります。間取り面積に余裕がない場合には、階段下スペースの活用も検討してみましょう。

まとめ|階段の間取りにこだわろう

本記事では、階段のある間取りについてご紹介してきました。具体的な寸法や人気の間取りパターンなど、新築計画の際にはぜひ参考にしてみてください。

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