「猫のための通路」とイメージされることが多いキャットウォークには、じつは様々な役割があります。
本記事ではキャットウォークの本来の役割や導入方法、作り方のポイントをご紹介していきます。
「キャットウォークは本当に必要?」と思われている方も、活用方法が分かれば設置したくなるかもしれません。
これから新築計画を立てられる方は、ぜひ参考にしてみてください。
・キャットウォークの本来の目的とは
・猫が喜ぶ住まいのポイント
キャットウォークとは

キャットウォークとは、高い場所にある細い通路のことを指します。
その名の通り猫が通れるくらいの幅になっており、吹き抜けや勾配天井といった空間で用いられることが多いです。
キャットウォークは住宅の他、体育館やホールといった施設でも用いられます。
キャットウォークの幅や設置場所
住宅のキャットウォークの場合、工事現場や大型施設とは違って人が乗ることは少ないです。
そのため一般的な住宅のキャットウォークの場合、15~20cm程度の幅となります。
素材は木材、アルミなど軽くて丈夫なものがおすすめです。
設置場所としては、窓サッシの上や吹き抜けの一辺などある程度の長さが確保できる箇所になります。
キャットウォークの目的|意外と知らない?

ここでは、キャットウォーク本来の目的を整理してご紹介します。
目的が分かれば住まいの計画にも生かしやすいので、ぜひチェックしておきましょう。
①高所(窓、壁等)の点検
建設現場で用いられる用語としての意味の場合、キャットウォークは高所点検作業場としての役割を持ちます。
屋根の点検や高所作業のために設置されるので、メッシュ状の金属製になっていることが多いです。
住宅でも、吹き抜けの窓や照明器具の点検用としてキャットウォークが採用されることがあります。
その場合、人が乗れるくらいの幅・強度が必要なので「渡り廊下」のようなイメージになることが多いでしょう。
②間接照明を設置する
キャットウォークは細長い形状のため、ライン状の間接照明を置く場所として使われることもあります。
間接照明を上向きに照らすようにキャットウォークに設置すれば、天井面がふんわりと照らされて上品な雰囲気に。
「アゴ」と呼ばれるキャットウォークの出っ張りが照明器具を隠してくれるので、光だけがあるように見えておしゃれです。
ホテルのような上質なインテリアにしたい場合には、特におすすめの手法です。
③猫用の通路
一般的にイメージされるのが「猫用の通路」という使い方です。
最近では猫を室内飼いすることが一般的となり、家族として一緒に過ごすことも多いです。
しかし猫は本来外で暮らす生き物なので、ずっと家の中にいると運動不足やストレスで調子を崩してしまうことも。
キャットウォークは猫がストレスなく過ごせるように、適度な運動の場所としておすすめです。
シンプルなタイプなら自作することも可能ですが、やはり強度や安全性を考えると、新築時に間取りに組み込んでおいた方が安心でしょう。
キャットウォークのデメリット
ここでは、キャットウォークを作るデメリットもご紹介します。
建築前に確認しておくことで、入居後のミスマッチを防ぎましょう。
費用が掛かる
一般的なキャットウォークの場合、設置に5~10万円の費用が掛かります。
もし間接照明を組み込む場合には、器具が見えないように幕板を付ける必要があるため余分に予算を見ておいた方が安心でしょう。
このようにキャットウォーク分が建築費用に加算されてしまうので、計画時には予算オーバーにならないようにする必要があります。
掃除が面倒
キャットウォークは壁から出っ張っている部分があるので、ホコリが溜まりやすいのがデメリットです。
簡単には手が届きにくいので、持ち手の長いモップ等を用意しなければなりません。
また猫は毛玉を吐く習性があるので、一緒に暮らす場合は「高い位置から吐かれて大変…」というケースも多いです。
床にタイルクッションを敷いておくなど、いつ汚れても大丈夫な工夫をしておくのがおすすめです。
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猫が喜ぶ住まいのポイントは?

ここでは、キャットウォークだけではない「猫が喜ぶ住まいのポイント」についてご紹介します。
新築住宅は自分たちの好きなように間取り計画ができるため、ぜひ思い通りの住まいを実現しましょう。
籠れるスペースを作る
猫は「狭い場所に籠りたがる」という性質があります。
これはもともと野生だった猫の祖先が「敵に見つからないように暮らしていた」ということが理由です。
そのため小さな箱の中や物陰など、人目に付かない場所にいると安心すると言われています。
猫と一緒に暮らす家では、わざと狭いスペースを作っておくのがおすすめです。
たとえば階段下を空けておくなど、デッドスペースになりがちな場所を活用すると一石二鳥です。
猫専用出入り口を付ける
猫は、家の中を自由に歩き回ることでストレスを発散しています。
そのため壁や扉に「猫専用ドア」を付けておくと、行動範囲が広がっておすすめです。
ただしドア設置の際には、躯体に穴をあけて出入り口を確保する必要があります。
壁や柱に穴を開けるのは、構造的に強度不足になる場合もあるので、必ず事前にしっかりと計画しておくようにしましょう。
フローリングや壁の保護をしておく
猫は爪とぎをするため、壁や床に傷をつけてしまう場合があります。
また走ったり飛び降りたりする普段の動きでも傷が付きやすいので、日ごろから気を付けておく必要があるでしょう。
猫自身の爪を切るというのが手っ取り早いですが、内装のフローリングで対策しておくと安心です。
最近主流となっている「クッションフロア」であれば、引っ掛かりが少なく猫も快適に過ごせるでしょう。
まとめ|吹抜にはキャットウォークがおすすめ

広々として開放感のある吹抜には、キャットウォークを設置するとメリットが多いです。
猫が歩くためのスペースという以外にも、照明器具の設置や設備点検など活用方法は様々です。
新築をお考えの際には、ぜひキャットウォークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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