目次
狭い家だと「スペースが小さくて窮屈そう…」「注文住宅なのに満足できる間取りにならないのでは?」と心配になってしまう方も多いでしょう。たしかに建築面積が狭い分、制限が掛かってしまう点もあります。しかし「工夫」次第でおしゃれで快適な住まいが実現できます。
本記事では、狭い家で注意したい間取りのポイントをまとめてご紹介していきます。「狭い家でもおしゃれな間取りにしたい!」とお考えの方は、ぜひご参考にしてみてください。
・面積が狭い家での間取りの工夫が分かります
・狭い家で注意すべきポイントが分かります

「狭い家」の定義は?
一般的な戸建て住宅の平均面積は「約37坪」となっています。
これだけの広さがあれば、LDKと水回り、寝室、洋室2部屋、ウォークインクローゼット等が余裕で収まります。
しかし都心部など広い土地の確保が難しい場合には、平均よりも狭い面積のケースは多いです。
具体的には「15~20坪以下」の面積だと「狭小住宅」とされます。
狭いとデメリットが目につきやすいですが、じつは「必要最小限のコンパクトな暮らしがしたい」という方のニーズにはぴったり。
立地重視の場合など、「あえて狭い家を選ぶ」という方は意外と多いでしょう。
狭い家だからこそできる間取りの工夫
ここでは、面積が狭い家だからこそできる「間取りの工夫ポイント」をご紹介していきます。
限られたスペースを有効に活用するためのコツが満載なので、ぜひご参考にしてみてください。
壁で区切らない間取り
一般的な住宅では「リビングと廊下」や「玄関とシューズクローク」など、それぞれの空間を仕切る壁があります。
しかし壁で間仕切りを作ってしまうと、圧迫感を感じやすいのがデメリットです。
また部屋同士を細かく区切ってしまうので窮屈な印象になることもあるでしょう。
そのため狭い家ではなるべく壁を作らず、「ゾーニング」の手法で部屋を分けるのがおすすめです。
ゾーニングとは家具や植栽といったアイテムで空間を分ける手法で、空間をゆるく区切って使い分けられるのがメリットです。
たとえばリビングとキッチンの間にソファを置いたり、シューズクロークにカーテンを付けたりする方法があります。
部屋に「可変性」を持たせることで、将来的に模様替えをしたいと思ったときにも簡単に行えます。
造作家具で収納をすっきり
造作家具(ぞうさくかぐ)とは、設計段階から建物に組み込む形で計画する家具のことを指します。
市販品の家具だと、既存のサイズから選ばなければなりません。しかし造作家具は家の大きさにぴったりに作るため、オーダーメイドの仕上がりになります。
また市販品は地震などの災害時に倒れてしまう危険性がありますが、造作家具なら倒れたり動いたりする心配はありません。
狭い家の場合には、スペースを有効活用するために「天井いっぱいまで収納棚を作る」「デッドスペースを生かして収納にする」といった手法がおすすめです。
デザインを部屋の内装に合わせることも可能なので、インテリア全体がすっきりと統一感のある仕上がりになるでしょう。
大きな窓で視線を外に
部屋に大きな窓を作ると、明るく開放的な雰囲気にできます。
リビングの景色のよい方向など、光が差し込みやすい向きに計画するとよいでしょう。
外に視線が抜けることで、部屋が狭くても広く見せる効果が期待できます。
しかし都心の狭い家だと隣家との距離が近く、「外からの視線が気になる」というケースもあるかもしれません。
そんな場合には、「天井近くにスリット状の窓を作る」という方法もおすすめです。
窓の面積自体は小さいですが、高い位置から光が差し込むことで部屋を明るく採光できます。
また通風・換気の面からも窓の配置はおすすめです。

ダウンフロアで天井高さを確保
「ダウンフロア」とは、部屋の一部分を少し下げる構造のことを指します。
リビングやキッチンで取り入れられることが多く、「ベンチの代わりになる」「キッチン作業時に家族と目線の高さを合わせられる」といったメリットがあります。
フロアレベルを下げることで天井が高くなり、同じ面積でも部屋が広く見える効果も。
狭い家の場合は、リビングをダウンフロアにするとスペースを有効活用できるでしょう。
ダウンフロアは特有の「こもり感」もあり、家族が集まって過ごす空間にぴったりです。
屋外をアウトドアリビングに
狭い家の場合は、室内だけでなく「屋外」にも目線を向けてみると間取りの幅が広がります。
たとえば中庭やテラスを広めに設計し、「アウトドアリビング」として使う方法がおすすめです。
予算の関係で建物の面積が小さくなってしまった場合でも、アウトドアリビングであればリーズナブルに施工できます。
アウトドアチェアやテーブルを置けば、テレワークをしたりお茶を飲んだりといった様々な使い方ができるでしょう。
小さいお子様がいる家庭なら、プールを出して遊び場スペースにする使い方も人気です。
階段はスケルトンにする
スケルトン階段とは、骨組みと踏板だけで構成されているシンプルな階段を指します。
通常の階段とは違い後ろが見通せるので、「部屋が広く見える」という効果があります。
リビングにスケルトン階段を設置する方法も人気で、開放的でおしゃれなデザインが洗練された雰囲気になります。
ただし階段下のスペースもオープンになってしまうので、収納やトイレを組み込みたい場合にはおすすめできません。
「見せる階段」としてデザイン性にこだわりたい方は、ぜひ取り入れてみましょう。
狭い家で注意すること
ここでは、建築面積が狭い場合に注意するべきポイントをご紹介していきます。
快適で暮らしやすい家にするために、間取り計画時からしっかり対策しておくのがおすすめです。
関連記事:ダイニングで勉強するメリット・デメリットを解説│大人も子供も一緒に
狭小住宅は建設費が高い場合も
狭い家の場合「建物が小さい分、建築費用も安く済みそう」というイメージを持たれがちです。
しかし実際は、坪単価で比較すると割高なケースもあります。
狭小住宅は1階がガレージになっていたり、土地が狭い分3階建て以上になっていたりする間取りが多いでしょう。
建物重量が重くなるため「地盤改良」が必要になるほか、高さのある建物を支えるので「鉄骨造」にする場合も。
こういった事情が積み重なり、結局トータルコストはそれほど安くならないことが多いです。
ただし建物の構造や地盤に関する点は「安全」に関わるためコストカットはおすすめできません。
「間仕切り壁やドアの数を減らす」「シンプルな間取りにする」など、内装の部分で工夫すれば、リーズナブルにすることも可能です。
隣家との距離に注意
特に都心部の場合、複数の住宅がたくさん集まっているエリアに建てることも多いでしょう。
隣家との距離が近いため、騒音や採光には特に気を付ける必要があります。
たとえば窓からは音が漏れやすいので「防音性能の高いサッシやガラスを選ぶ」という方法がおすすめです。
また「道路から見えないよう、トップライトの窓にする」「浴室やトイレは隣家に接しない位置にする」など、間取りにも配慮が必要です。
家族のプライバシーを守る
子どもが小さいうちは、家族みんなで一つの寝室で寝る家庭が多いでしょう。
しかし成長してくると、それぞれの個室が必要になります。
また兄弟で性別が違う場合には、子供部屋を分けなければなりません。
狭い家だと間仕切りが無くオープンな間取りがおすすめですが、寝室などプライベートな部屋は家族それぞれに設けておくのがおすすめです。
まとめ|狭い家は間取りで工夫しよう
狭い家はデメリットが注目されがちですが、物が少なくすっきりと暮らせるなどメリットもたくさんあります。
間取りの工夫次第で開放感のある明るい家に設計できるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
住まいづくりに悩んだら、ネクストハウスの「オンライン相談」をお試しください。
自宅に居ながら「住まいのプロ」に無料で相談できるので、小さなお子さんがご一緒でも気兼ねなくお話をすることができます。
資金計画や土地探し、お得な家づくり情報など、お気軽にお声かけください。
