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注文住宅を建築するとき「これだけ高い買い物なんだから、少しぐらい値引きはあるだろう…」と思う人もいるでしょう。一千万を軽く超える支払いに、値引きを期待するのは自然な心理といえます。
本記事では、ハウスメーカーで注文住宅を建築するときの「値引き」について解説します。
値引きが期待できるのはどのタイミングなのか、どの程度の値引きが期待できるのか、さらに値引き交渉のときに注意したい事項も紹介します。
値引きに期待している人や、どこまで値引きできるか挑戦する予定の人は、一度本記事を読んでみてください。
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・ハウスメーカーで値引きできる理由は?
・値引き交渉で後悔することもあるので要注意!
ハウスメーカー「値引きのからくり」

はじめにハウスメーカーで値引きを受けられる場合の「からくり」についてお伝えします。値引きを行う理由は主に2点です。
値引きを前提にした金額にされている
1つ目は「値引きを前提にした金額で見積もりを提出する場合」です。
この場合ハウスメーカー側は、値引き交渉を受けたときにはある程度の値引きを受け入れます。施主側は「値引きをしてもらった」という満足感とともに契約書にサインをすることになるでしょう。
値引き交渉をされなかった場合は、ハウスメーカー側は通常より高い利益率で契約できます。
このため、値引きを前提にした価格設定をするハウスメーカーの場合は、値引き交渉を行わないと損ということです。
注意すべきなのは、最初から適正な利益率設定をして、値引きの余裕がないハウスメーカーの場合です。この場合、いくら交渉しても値引きは受けられないので、お互いに心象が悪くなってしまう可能性があります。
適正な値段を把握するために、複数のハウスメーカーで見積もりをとって相場を知ることは大切です。
決算時期が近く利益率を落としてもよい
2つ目の理由は「決算時期が近いため、利益率を落としても契約を取りたい場合」です。
ハウスメーカーは、決算までの期間に契約した棟数が多いほど好業績をアピールできるので、決算時期になると利益率を落としてでも契約棟数を多くしたい傾向があります。
このため、依頼を検討しているハウスメーカーの決算時期前に交渉するのは、交渉を有利に進めるひとつの手段といえるでしょう。
ただし、決算についても会社によって姿勢が変わり、決算時期の契約数にこだわらない会社もあるので注意が必要です。
注文住宅の値引きの相場はどれくらい?

では、注文住宅で値引き交渉する場合は、どのくらいの金額を値引いてくれるのでしょうか。
交渉できても5%前後
ハウスメーカーによって値引き幅は異なりますが、上手に交渉を進めても「5%前後」が相場です。5%といっても、建築費が3,000万円の場合は150万円と、非常に大きな金額になります。
先述したとおり、ハウスメーカーによってはほとんど値引きできない会社もあるので、交渉はしてみつつも、無理そうな場合は手を引きましょう。
最後は端数分を削る交渉を
値引き交渉を煮詰めて、いよいよ値引きの金額が決まりそうになったとき、最後に切り詰められるのは「端数分」です。
10万円の単位は厳しいながら、1万円・千円単位の端数が生じている場合は端数を値引けるか聞いてみましょう。注文住宅を建築するとき、金額が大きいので忘れてしまいがちですが、1万円・千円は普段の生活の中では大きい金額です。大切にして交渉しましょう。
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金額ではなく物・サービスの提供を交渉する
金額ではなく「物・サービスの提供」を交渉する手もあります。たとえば、コンセントの増設や造作棚の追加といった項目です。特にハウスメーカーの倉庫内にあまった資機材がある場合は、安価に提供してもらえる可能性があるので、一度聞いてみてもよいでしょう。
注文住宅で値引きを受けるデメリットは?

ここからは注文住宅建築のときに値引き交渉することで生じるデメリットを紹介します。契約金額が下げられて嬉しい、だけでは済まないこともあるので注意しましょう。
無理な値引き交渉で依頼を断られることも
1つ目は「無理な値引き交渉を行ったことで断られる」場合です。
先述したとおり、ハウスメーカーごとに差はありますが、値引きには限度額が設定されています。それ以上値引きすると、ハウスメーカーの利益が無くなってしまうラインです。
この点を超えて値引き交渉してしまうと、ハウスメーカーからの心象が悪くなり、最悪の場合依頼を断られてしまうことも。
ハウスメーカーの営業も人です。値引き交渉自体は問題ありませんが、お互い気持ちよく新居が建てられるようにしましょう。
値引き分、品質が下がることも
2つ目は「値引きをした分だけ品質が下がる」場合です。
一般的に、ハウスメーカーには標準的に使用している建材があるので、値下げをしたから建物の品質が悪くなるということはありません。
しかし悪質なハウスメーカーの場合は、値引きをした分だけ安価な建材を使用して値下げ分を帳消しにするケースがあるようです。
値引きの金額でメーカーを決めて後悔する
3つ目は「目的がすり替わってしまうこと」です。
元々、注文住宅を建築する目的は、家族が安心して快適な生活を実現することです。しかし値引きにばかり目を向けてしまうと、選定基準が「快適な住環境を提供してくれるハウスメーカー」からも「大幅な値下げをしてくれるハウスメーカー」へと変わってしまうことがあります。
値引きは「あったらいいな」程度に考えて、快適な住環境を実現してくれるハウスメーカーを探しましょう。
ハウスメーカーの値引きの疑問

最後に、ハウスメーカーの家に関する値引き全般の疑問で、よく聞かれるものに回答します。
建売住宅なら値引きは受けられる?
1つ目は「建売住宅は値引きを受けられるか?」というもの。この疑問に対しては「売れ残った建売住宅なら値引きを受けられる可能性が高い」と回答します。
建売住宅であっても、人気の高いエリアなら値引きをしなくても次々に売れてしまうので、ハウスメーカー側からすると値引きをするメリットはありません。
一方で売れ残ってしまった建売住宅は、ハウスメーカーからすると経費にしかなりません。早めに手放したい一心で、大幅な値引きが期待できるかもしれません。
工務店の方が値引きを受けにくい、本当?
2つ目の疑問は「ハウスメーカーより工務店の方が値引きを受けにくいの?」というもの。この疑問も概ね正しいといえるでしょう。
先述したとおり、ハウスメーカーでは広告費や研究開発費など、工務店よりも多くの経費を要していて、値引きを行える余地がたくさんあります。一方で工務店の場合、元々値引きを行える余地が少ないので、交渉しても値引きを受けられる可能性は低いと考えてよいでしょう。
まとめ│値引きは気持ちの良い交渉を

ハウスメーカーで注文住宅を建築する場合の「値引き」について解説しました。
値引きを行えるのか、値引きの金額はどの程度なのか、これは会社によって異なります。元々値引きできないほどギリギリの利益率で見積もりを作っている会社もあれば、値引き交渉が行われる前提で見積もりを作っている会社もあるからです。
本当に大事なことは「どれくらい値引いてもらった」ということではなく「お互いが気持ちのよい取り引きをしたうえで、最高の家を作ること」です。値引き交渉を行うこと自体は問題ありませんが、お互いの信頼関係を保ったうえで行うようにしましょう。
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