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耐震等級3の住宅を検討する際、「固定資産税は安くなるのか」と気になる方も多いと思います。
結論として、要件を満たせば最大5年間、固定資産税が1/2に減額されます。
ただし、この減税は耐震等級3の住宅であれば自動的に受けられるわけではありません。
減税を受けるためには、長期優良住宅の認定取得などの要件を満たすことが必要です。
また、耐震等級3の住宅は地震保険料の割引制度の対象になるほか、長期優良住宅の認定を取得することで税制優遇を受けられる場合もあります。
この記事では、耐震等級3と固定資産税の関係を整理しながら、減税額や適用期間、申請方法についてわかりやすく解説します。
コラムのポイント
・耐震等級3だけでは固定資産税の減税は受けられない理由を解説します。
・耐震等級3の住宅は税制優遇や地震保険料の割引など複数のメリットがある点を紹介します。
・「耐震等級3相当」の住宅では税制優遇を受けられない注意点も解説します。
耐震性能と税制優遇の両方を踏まえた家づくりを検討している方は、ネクストハウスにご相談ください。
ネクストハウスでは、長期優良住宅の認定取得に対応した家づくりをサポートしています。

耐震等級3だけでは、固定資産税の軽減は受けられない

耐震等級3の住宅を建てれば固定資産税が自動的に安くなると考えている方もいらっしゃると思いますが、耐震等級3だけでは固定資産税の減税は受けられません。
ここでは、固定資産税の仕組みと新築住宅の軽減制度を整理します。
新築住宅には固定資産税の減税制度がある
固定資産税は、一般的に以下の計算式で算出されます。
固定資産税=課税標準額×1.4%
この税額は住宅を取得すると毎年課税されますが、新築住宅の場合は取得負担を軽減するため、床面積などの要件を満たすことで、建物部分の固定資産税が3年間、2分の1に減額されます。
床面積の要件は以下のとおりです。
- 軽減措置の対象となる住宅:床面積50㎡以上280㎡以下
- 減税が適用される範囲:住宅部分の床面積120㎡まで
120㎡を超える部分は減税の対象外となるため、大きな住宅を建てる場合は注意が必要です。
この減税期間は、住宅の性能によってさらに延長される場合があります。
長期優良住宅の認定を取得した住宅は、減税期間が5年間に延長される仕組みです。
耐震等級3は長期優良住宅の要件の一部
長期優良住宅の認定を受けるためには、耐震性だけでなく、以下のすべての性能要件を満たす必要があります。
- 耐震性
- 省エネルギー性
- 劣化対策
- 維持管理のしやすさ など
耐震等級3は、この中の「耐震性」の要件を満たすものです。
そのため、耐震等級3を取得しているだけでは長期優良住宅の認定は受けられず、固定資産税の減税期間も延長されません。
固定資産税の優遇を受けるためには、耐震等級3を含むすべての要件を満たしたうえで、長期優良住宅として正式に認定を取得することが必要です。
近年、注目されている省エネ住宅の新基準「GX ZEH」についても、こちらの記事で参考にしてください。
〈関連ページ〉GX ZEHとはどんな制度か|従来型ZEHとの違い、基本要件、メリット・デメリット
長期優良住宅で固定資産税はいくら安くなる

ここでは、実際に一般住宅と長期優良住宅でどの程度の差が生まれるのか、具体的に見ていきましょう。
建物の固定資産評価額(課税標準額)2,500万円の新築一戸建てを想定して試算します。
固定資産税は、2,500万円×1.4%=約35万円です。
新築住宅の軽減措置が適用されると、税額は2分の1の約17.5万円です。
この金額をもとに、一般住宅と長期優良住宅を比較すると以下のとおりです。
| 住宅の種類 | 減税期間 | 年間税額 | 節税額 |
|---|---|---|---|
| 一般住宅 | 3年間 | 約17.5万円 | 約52.5万円 |
| 長期優良住宅 | 5年間 | 約17.5万円 | 約87.5万円 |
このように、長期優良住宅は一般住宅と比べて減税期間が2年間長くなるため、同じ条件の住宅でも約35万円の節税効果が生まれます。
※建物の固定資産評価額は、一般的に建築費の50〜70%程度が目安とされていますが、実際の評価額は自治体によって異なります。
耐震等級3や長期優良住宅の取得を検討している方は、ネクストハウスまでお気軽にご相談ください。
長期優良住宅の認定基準をすべて満たした高品質な住まいを標準仕様とし、耐震性能や住宅性能を踏まえた家づくりをサポートしています。

耐震等級3の住宅で受けられる税制優遇・割引制度

耐震等級3の住宅は、固定資産税の軽減だけでなく、長期優良住宅の認定を取得することで複数の税制優遇や割引制度の対象になります。
住宅取得時の税負担や、住宅取得後の維持費を抑えられるため、住宅性能とあわせて確認しておきたいポイントです。
ここでは、代表的な優遇制度を紹介します。
住宅ローン控除
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に、年末のローン残高に応じて所得税や住民税から一定額が控除される制度です。
住宅の性能によって控除内容が異なり、長期優良住宅などの認定住宅は一般住宅よりも優遇された控除枠が設定されています。
たとえば、2026年に入居する新築の長期優良住宅の場合、住宅ローン控除の内容は以下のとおりです。
- 借入限度額:4,500万円
- 控除期間:13年間
- 控除率:0.7%
上記をもとに、2026年に新築の長期優良住宅へ入居し、年末時点の住宅ローン残高が4,000万円だった場合、控除額は次のように計算できます。
控除額=4,000万円×0.7%=28万円
住宅ローン控除は最大13年間続くため、上記の試算例では最大364万円(28万円×13年)の税負担軽減につながります。
ただし、住宅ローン控除を受けるためには、床面積や所得要件など一定の要件を満たす必要があるため、詳細は国土交通省のウェブサイトでご確認ください。
登録免許税の軽減
住宅を取得すると、所有権保存登記や所有権移転登記を行う際に登録免許税が課税されます。
長期優良住宅として認定された住宅は、以下のように登録免許税の税率が軽減される特例措置が設けられています。
| 登記の種類 | 一般住宅 | 長期優良住宅 |
|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 0.15% | 0.1% |
| 所有権移転登記(戸建て) | 0.3% | 0.2% |
登録免許税の軽減措置は、現在の制度では2027年3月31日までに取得した住宅が対象です。
制度内容は税制改正によって変更される場合があるため、最新の情報を確認しておきましょう。
〈参照〉国土交通省ウェブサイト:認定長期優良住宅に関する特例措置
不動産取得税の軽減
住宅を取得すると、不動産取得税が課税されます。
不動産取得税は、土地や建物を取得した際に一度だけ課税される税金で、固定資産税評価額をもとに計算される仕組みです。
新築住宅には一定の控除制度がありますが、長期優良住宅として認定された住宅は控除額が拡大される特例措置が設けられています。
一般住宅と長期優良住宅の不動産取得税の控除額の違いは以下のとおりです。
- 一般住宅の控除額:1,200万円
- 長期優良住宅の控除額:1,300万円
長期優良住宅では控除額が100万円多くなるため、その分だけ課税対象額が小さくなり、不動産取得税の負担を軽減できます。
この軽減措置は2031年3月31日までに取得した住宅が対象です。
税制の内容は改正によって変更される場合があるため、住宅取得前に最新の情報を確認しておくことをおすすめします。
地震保険料の割引
地震保険では、住宅の耐震性能に応じて保険料の割引制度が設けられています。
耐震等級に応じた割引率は以下のとおりです。
| 耐震等級 | 割引率 |
|---|---|
| 等級1 | 10% |
| 等級2 | 30% |
| 等級3 | 50% |
耐震等級3の住宅は、地震保険料が最大50%割引されるため、長期的な保険料負担を抑えられます。
長期優良住宅を新築で補助金の活用を検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。
〈関連ページ〉みらいエコ住宅2026事業の制度を解説│補助金額や対象条件、気になる疑問にも回答
固定資産税の減税を受けるための申請方法

長期優良住宅として認定された住宅は、固定資産税の減税期間が延長されます。
ただし、この軽減措置は自動的に適用されるものではなく、所定の手続きを行う必要があります。
申請漏れを防ぐために、期限と必要書類を事前に確認しておきましょう。
固定資産税減税の申請手続きの流れ
固定資産税の減税を受けるまでの一般的な流れは、以下のとおりです。
| 固定資産税減税の申請手続きの流れ |
|---|
| 1. 設計段階:住宅会社に長期優良住宅の取得を希望することを伝える (許容応力度計算・住宅性能評価の手続きが必要) ↓ 2. 着工前:所管行政庁(都道府県・市町村)に長期優良住宅の認定申請 ↓ 3. 認定通知書を受け取る ↓ 4. 住宅の建築・完成:認定内容に基づいて住宅を建築 ↓ 5. 長期優良住宅認定通知書を取得:自治体から認定通知書が交付される ↓ 6. 固定資産税の減税申請を行う:翌年1月31日までに市区町村へ申告 |
固定資産税の減税を受けるためには、長期優良住宅の認定取得から申請まで、所定の手続きが必要です。
また、長期優良住宅の認定を受けるためには、住宅の工事を開始する前に認定申請を行う必要があります。
建築工事が始まったあとに申請を行っても認定の対象にならないため注意が必要です。
そのため、住宅の設計段階から住宅会社に相談し、申請手続きを含めたスケジュールを確認しておくことが重要です。
必要書類
固定資産税の減税申請を行う際には、以下のような書類の提出が求められます。
- 固定資産税減額申告書
- 認定長期優良住宅の減額用の申告書
- 長期優良住宅の認定通知書
- 建物登記事項証明書
- 建築確認通知書や検査済証の写し
- 本人確認書類
- 住宅用地等申告書 など
提出書類は自治体によって異なる場合があるため、住宅所在地の市区町村のホームページなどで確認しておくと安心です。
申請先
固定資産税の減税申請は、住宅が所在する市区町村で行います。
多くの場合、固定資産税を担当する部署(資産税課・税務課など)が窓口になります。
郵送での申請に対応している自治体もありますが、必要書類の確認や不備の修正が必要になる場合もあるため、事前に申請方法を確認しておくとスムーズです。
耐震等級3にする際に知っておきたい注意点

耐震等級3の住宅は、固定資産税の減税や地震保険料の割引など、さまざまなメリットがあります。
しかし、制度の仕組みを十分に理解しないまま住宅性能を決めてしまうと、「思っていた優遇が受けられなかった」「想定より費用がかかった」と感じることもあります。
耐震等級3や長期優良住宅を検討する際に知っておきたいポイントを見ていきましょう。
耐震等級3と「耐震等級3相当」の違い
住宅会社の説明で「耐震等級3相当」という言葉を見かけることがあります。
耐震等級3相当とは、設計上は耐震等級3と同程度の耐震性能を想定しているものの、住宅性能表示制度などの第三者評価を取得していない住宅を指します。
一方、正式な耐震等級3は、住宅性能評価機関による審査や構造計算を経て認定されたものです。
そのため、耐震等級3相当の住宅では、以下の制度を利用できません。
- 地震保険料の割引
- 長期優良住宅の認定
- 各種税制優遇
税制優遇や保険料の割引を前提に住宅性能を検討する場合は、「耐震等級3相当」ではなく正式な耐震等級3を取得しているかどうかを必ず確認しましょう。
耐震等級3の取得には費用がかかる場合がある
耐震等級3の住宅を建てるためには、構造計算や設計検討などの追加作業が必要になる場合があります。
また、長期優良住宅の認定を取得する場合、申請手続きや審査のための費用も発生します。
住宅会社や住宅規模によって費用は異なりますが、一般的には50万円〜200万円程度の追加費用がひとつの目安です。
ただし、固定資産税の軽減や住宅ローン控除、地震保険料の割引などを含めると、長期的には費用差が小さくなることもあり、初期費用だけでなく長期的なコストのバランスを踏まえて判断することが大切です。
税制優遇はあくまで「付加価値」として捉える
耐震等級3や長期優良住宅の制度は、税制優遇だけを目的に検討するものではありません。
本来の目的は、住宅の性能を高め、長く安心して暮らせる住宅を普及させることです。
税制優遇はあくまで結果として受けられるものであり、優遇制度だけを目的に住宅性能を選ぶことはおすすめできません。
耐震等級3には、税制優遇以外にも以下のようなメリットがあります。
- 地震への備えにつながる
- 住宅の資産価値につながる可能性がある
- 地震保険料の負担を抑えられる
耐震等級3は税制優遇だけでなく、住宅の安全性や将来の資産価値なども含めて総合的に判断することが重要です。
耐震等級3の取得や申請までサポートできる住宅会社を選ぶ
耐震等級3の住宅や長期優良住宅の認定を取得するためには、設計段階から耐震性能を考慮した計画が必要です。
また、認定申請や税制優遇の手続きなど、専門的な対応が求められる場面もあります。
住宅会社を選ぶ際には、耐震等級3の設計だけでなく、長期優良住宅の認定取得や各種申請までサポートできる体制があるかどうかを確認しましょう。
住宅性能と費用のバランスについても相談できる住宅会社を選ぶことで、安心して住宅計画を進められます。
耐震等級3や長期優良住宅の取得、税制優遇制度の活用について検討中の方は、ネクストハウスまでお気軽にご相談ください。
ネクストハウスでは、「長期優良住宅」の認定基準をすべて満たした住まいを安心の定額プランで提供しています。

耐震等級3と固定資産税のよくある質問

最後に、耐震等級と固定資産税についてよく寄せられる質問に回答します。
耐震等級1・2・3の違いは何ですか?
耐震等級とは、住宅の耐震性能を示す指標であり、「住宅性能表示制度」に基づいて1〜3の等級で評価されます。
数字が大きいほど耐震性能が高いことを意味します。
耐震等級の主な違いは以下のとおりです。
| 耐震等級 | 耐震性能の目安 |
|---|---|
| 耐震等級1 | ・建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たす住宅 ・数百年に一度程度発生する大地震(震度6強〜7程度)でも倒壊・崩壊しない水準とされています。 |
| 耐震等級2 | ・耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つ住宅 ・学校や避難所などの公共施設と同程度の耐震性能が目安とされています。 |
| 耐震等級3 | ・耐震等級1の1.5倍の耐震性能を持つ住宅 ・消防署や警察署など、防災拠点となる建物と同程度の耐震性能が目安とされています。 |
耐震等級3は、住宅の中でも最も高い耐震性能とされており、地震に強い住宅として評価されています。
〈参照〉国土交通省ウェブサイト:住宅の品質確保の促進等に関する法律
土地や都市計画税は減税されますか?
新築住宅の固定資産税軽減制度は、建物部分の固定資産税に対して適用される制度です。
そのため、土地にかかる固定資産税は、この新築住宅の減税制度の対象にはなりません。
また、都市計画区域内で課税される都市計画税(最大0.3%)についても、基本的には新築住宅の固定資産税軽減制度の対象外です。
ただし、土地については別途「住宅用地の特例」があり、住宅が建っている土地は課税標準額が軽減される仕組みがあります。
実際の評価額は自治体によって算定されるため、地域によって異なる場合があります。
まとめ
ここまで、耐震等級3と固定資産税の関係や減税額・減税期間、長期優良住宅との違い、さらに住宅ローン控除や地震保険料の割引などの税制優遇制度について解説してきました。
耐震等級3の住宅は、固定資産税の減税だけでなく、地震保険料の割引や住宅ローン控除など、複数の制度を活用できるメリットがあります。
ただし、こうした優遇制度を利用するためには、長期優良住宅の認定取得と、市区町村への申請手続きを適切に進めることが必要となります。
耐震性能と税制優遇を両立した家づくりを検討している場合は、設計段階から住宅会社へ相談し、長期優良住宅の認定取得や各種制度の活用を含めて計画しましょう。


















