新築の間取りにおいて窓の配置は重要で、住んでからの失敗談も少なくありません。特に周囲の環境に影響される東京の住まいづくりでは、窓の配置をしっかり考える必要があります。
今回は新築の窓でよくある失敗例を中心に、窓の種類や配置の注意点などをお伝えします。東京エリアで自由設計の注文住宅に対応するネクストハウスがプロ目線で解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
■新築の窓でよくある失敗例
■主な窓の種類と特徴
■東京の窓配置で注意すべきポイント
■雨戸・シャッターは必要?
■東京の建築実例で窓デザインをチェック
建築実例
■新築の窓でよくある失敗例
図面や3Dイメージだけでは分からない、窓関連でよくある失敗例をチェックしてみましょう。
・周囲から丸見えでくつろげない
特に市街地などで敷地の確保が難しい東京都内では、窓の配置を考えないとリビングや寝室が丸見えになってしまうケースも多いです。せっかくこだわってつくった自由設計の家も、視線が気になってはくつろげませんし、一日中カーテンをしたままでは悲しいです。人通りの多い通りに隣接する土地や、マンションなど高い建物が近い場所で起こりやすい失敗例といえるでしょう。
・日中暗い
南側に大きな窓を配置したのに、いざ建ててみたらちょうどビルの陰になって一日中暗い…。図面と方角のみで窓配置を考えると、このようなミスが起こり得ます。開発スピードが早い東京の市街地では、数年後大きな建物が建って日陰になってしまうというケースも多いです。日中暗い家は冬場寒いだけでなく、精神的に寒々しい印象になるデメリットも。
・西日がまぶしい
一日の中で最も強い日差しである西日が直接窓から入ると、テレビが見えづらかったり暑かったりといった不具合があります。キッチンなど火を使う場所では、エアコンをつけても夏の夕食準備で汗びっしょりになってしまうことも。西側の窓配置による西日の不満は意外と多いです。
・風通しが悪い
窓は光を室内に入れるとともに、風を取り入れて空気を入れ替える役割も持っています。窓の大きさや配置を失敗すると、風通しが悪くなり不快感やカビ・ダニの発生につながってしまう事も。初夏などエアコンをつける前の時期は、風抜けが悪いと扇風機だけで過ごせなくなってしまいます。
・ベッドやタンスが置けない
景観と採光を考えてたくさん窓を配置すると、ベッドやタンスなど大型の家具を設置する場所に困るケースが多いです。窓の位置はもちろん、高さや幅なども計算して配置しなければいけません。お子さんの成長に合わせて勉強机や本棚などが増えるケースも想定しないと、窓をふさいで開け閉めできない部屋になってしまいます。
・冬の結露がすごい
窓周辺は冬の結露が発生して悩みの種になりがちです。寒い日の朝などびしょびしょになった窓回りはフローリングを傷め、長年続くと柱の腐食などにもつながってしまいます。最近は結露しにくいペアガラスが普及していますが、さらに断熱性能を高めたサッシや二重窓などもあります。寝室や水回りなど、特に湿気があり結露しやすい場所は対策も必要です。
・外を通るとき頭をぶつける
滑り出し窓などの外に開くタイプの窓は、開けた時の寸法も考えないと外周を通るときに頭をぶつけるなどのトラブルが発生します。駐車スペースに面した窓と、車の後部ハッチを開けた時の干渉などもよくある失敗例。庭に物置を追加するとき、カーポートを設置するときなども窓と干渉することがよくあるため、外に開く窓の配置は特に注意が必要です。
■主な窓の種類と特徴
新築住宅で採用することが多い窓の種類と特徴についてチェックしましょう。
・引き違い窓
日本の戸建て住宅では古くから使われてきたベーシックな窓です。2枚の引き戸は開閉スペースが必要なく、大きな掃き出し窓は出入り動線を設けられるのもメリット。ほとんどの住宅に使われていて見慣れているため、おしゃれに仕上げづらい点はデメリットと言えます。最近は玄関など通り側は避けてリビングやバルコニー回りだけ引き違いにするデザインが主流です。
・FIX窓(はめ殺し窓)
開閉しない固定の窓構造で、明かり取りと景観確保のために採用されます。サイズや形状を変えやすく、思い通りのデザインに仕上げられるのがメリット。ただし換気ができないため、意匠性アップが主な目的となります。
・滑り出し窓
窓自体が回転しながら開く方式で、縦方向と横方向の二種類があります。家の壁に沿って吹く風を取り込みやすく、縦滑り出しは雨が吹き込みにくいのもメリットです。構造的に大きなサイズは難しいため、トイレや洗面所などで小型の窓として使われることが多いです。
・上げ下げ窓
引き違い窓を90度回転して横にしたような見た目で、一枚だけ動かすタイプと二枚とも動くタイプがあります。洋風住宅に使われていることが多く、見た目がおしゃれに仕上がるのがメリット。二枚動くタイプは上と下の開口部で換気性能が良いのも利点。重いと上げ下げが大変なため、大きなサイズは難しいです。
・ルーバー窓
連動する細長いガラスをハンドルで開閉するタイプで、すりガラスと組み合わせてトイレやお風呂場など見せたくない場所に使われます。防犯上の弱点があるため、面格子と組み合わせて使われることが多いです。
・トップライト(天窓)
屋根をくりぬいて設置するトップライトは、壁面の約3倍の採光効果が見込めます。北側の部屋など暗くなりがちな場所に使うと効果的。反面直射日光が差し込む場所は、フローリングの日焼けなどの弊害が出るため注意。
建築実例
■東京の窓配置で注意すべきポイント
新築の間取りを考える際、失敗につながりやすく注意すべきポイントを解説します。都内では特に気をつけるべきポイントがおおいため、しっかりチェックしましょう。
・通りからの目線
隣接する道路を行き交う人の目線はまず考慮すべきポイントですが、人の目が多い東京では状況に応じた窓配置が必要です。例えば交差点が近い場所では、信号待ちの大型トラックやバスなど高い位置からの目線も発生します。歩道橋などさらに高い位置からの目線が発生する可能性もあります。特に東京都内ではいろいろな角度からの目線をシミュレーションして、目線を遮る窓配置を考えましょう。
・隣の家との位置関係
敷地面積的にどうしても隣の家との距離が近くなる東京都内では、お互いの窓配置はなるべく重ならないように注意するのが基本。窓と窓が近いと目線が気になってくつろげないため、リビングや寝室は特に注意しましょう。浴室や洗面所などプライバシー保護が重要な部屋もなるべく窓同士の距離は取りたいところ。どうしても避けられない場合は、目隠しルーバーや曇りガラスなどを採用します。
・冷暖房効率
窓のサイズや配置は冷暖房効率にも大きく影響するため、季節ごとの過ごし方に合わせた窓設計が重要。例えばリビングに直射日光が差し込むトップライトをつけてしまうと、無駄に室温が上がってエアコンの効きが悪くなります。壁面の高い位置にコンパクトな窓を設ければ、直射日光を避けて光をたくさん取り込めます。大きすぎる窓も暑さ寒さが浸入する原因となりますので、必要以上に大きな窓を避けると省エネ効果が高まりますよ。
・日当たり
暗い室内や直射日光がまぶしい部屋を避けるため、窓・太陽・周囲の建物の位置関係を考えることが大切です。どんなに良い位置の窓でも、建物の影になってしまっては日光が入りません。図面だけで考えるのではなく、現地もチェックして朝・昼・夕と時間ごとの日当たりも計算に入れましょう。
・防犯性能
窓は室内への侵入経路として最も危険度が高い場所ですから、防犯性能もしっかり確保しなければいけません。特に東京の家は表通りから見えない場所が発生しやすく、泥棒に狙われない窓の設計も大切です。見えにくく侵入しやすい場所には面格子やシャッターをつけるなど、防犯についてのアドバイスも私たち施工店にお任せください。
・デザイン
町全体の開発スピードが早い都内の市街地では、古さを感じさせないようなデザインテイストも大切な要素。窓がデザインに与える印象は大きいため、注意しないとお隣さんと比べて古臭く見えてしまうケースも多いです。玄関や通りから見える場所は引き違い窓を避け、FIX窓や上げ下げ窓などでスタイリッシュに仕上げるのがトレンドです。
■雨戸・シャッターは必要?
最近の新築住宅では雨戸やシャッターをつけないケースも多く、窓を考える際の大きなポイントとなっています。結論としては、基本的に雨戸・シャッターはデザインの好みであり無しを考えてOKです。
・昔よりサッシの性能が上がった
昔の家の窓にはほとんど雨戸が付いていましたが、これは「窓自体の性能が低かった」ことが主な理由です。台風などで窓の隙間から雨が浸入することが多かったため、雨戸でカバーしていたというわけですね。
サッシやサイディングの性能がアップした現代では昔より雨戸の必要性が低くなったため、設置率が減っている状況です。家の寿命を伸ばすというメリットも昔ほどないため、あまり考えなくても良いでしょう。
・防犯性能はガラスでも補える
防犯性能がアップするというメリットもありますが、最近は割れにくい防犯ガラスなども登場しています。雨戸無しでも防犯性能を高めることはできますので、無理につける必要はないでしょう。旅行や出張で長期間雨戸が閉まっていると狙われやすいケースもあり、必ずしも防犯対策として有効とは言えません。
・台風や強風対策としては有効
雨戸やシャッターのメリットとしては、台風などで物が飛んできてガラスが割れる被害を防ぐ効果が大きいです。周囲が広い土地や竜巻などの突風が起きやすい場所など、強風による被害が心配なら雨戸の設置を検討しましょう。特に面積の大きい掃き出し窓などは、物が当たる可能性も高いため、シャッターなどを設置するメリットも大きいです。
■建築実例で窓デザインをチェック
ネクストハウスが実際に施工した建築実例で、窓デザインをチェックしてみましょう。
玄関側の窓をすべて縦スリットに統一することで、モダンでスタイリッシュな印象に仕上げています。玄関のスリットもあわせているのがデザインの一工夫。室内の寝室側は、視線を遮り光を採りこむアクセントの役割も果たしています。
横長のスリット窓を複数並べることで、採光を確保しながらおしゃれなアクセントになっています。高い位置に設置することで、通りからの目線を遮っているのも東京での暮らしにピッタリ。
建築実例
◼まとめ:新築の窓は自由なプランで失敗を防ぐ
窓のデザインや機能は、住む人のライフスタイルや土地に合わせて設計するのが失敗を防ぐコツです。住んでからの不満を避けるためには、自由なプラン作りができるかどうかがカギとなります。
ネクストハウスは自社開発の「オリジナルオーダーシステム」によって、価格を抑えた自由な家づくりをご提供します。ご家族の人数、設置する家具、土地の形や方角などさまざまな要素を検討してピッタリの住まいづくりをお手伝い。家づくりの無料相談会やオンライン相談会も始めましたので、ぜひお気軽にお声かけください。