新築を注文住宅で建てる際悩むポイントとして意外と多い、和室を作るかどうかという問題。特に最近は標準仕様に和室が無いケースも多く、作るべきかどうか悩ましいですよね。
そこで今回は、新築に和室を作るメリット・デメリットを詳しく解説。写真付きの注文住宅実例も後半に掲載します。
目次
■新築に和室をつくるメリット
■和室のデメリット・注意点
■和室の種類・仕上げ方の違い
■おしゃれで便利な和室に仕上げるコツ
■新築の和室実例集
建築実例
■新築に和室をつくるメリット
まずは新築の間取りに和室を設けるメリットを見ていきましょう。
・い草の香りでリラックス
賃貸住宅などに引っ越した際、新品の畳の香りを嗅いだことがある方も多いのではないでしょうか。畳に使われているい草は自然素材ならではの香りがして、癒されるのがメリットです。
また、い草には調湿効果もあり、お部屋の湿度をちょうど良く保ってくれます。お子さんやペットなど、健康に気を使う家族がいる方も安心できる間取りです。
・気軽に寝転べる
フローリングにそのまま寝転ぶのはあまり気持ち良いものではありませんが、畳の和室ならそのまま横になることができます。ベッドやラグなどを用意する必要がないため、手軽にお昼寝や就寝のスペースとして使えるのは大きな利点です。ハイハイ歩きの赤ちゃんや、おもちゃを広げて寝転んで遊ぶお子さんが居るなら特におすすめ。
・アイロンがけなど家事に使える
取り込んだ洗濯物を畳んだり、ワイシャツにアイロンをかけたりするスペースとしても和室は活用できます。畳の上に洗濯物を並べて、家族ごとに分別するのも効率よくこなせますよ。
・冬も寒くない
畳は断熱性が高く、寒い冬もひんやりした感触が少ない点も魅力的です。フローリングだとカーペットを敷いても冷たさが伝わる場合がありますが、最近の畳は内部が断熱材になっているため底冷えしにくいのが特徴。また、本格的な和室の障子はカーテンと比べて気密性が高く、二重サッシのような効果で窓からの寒さを防いでくれます。
・急な来客時の客間や寝室になる
親戚や友人など、何かしらの事情で急な来客があった際に通す部屋や、緊急の寝室として使えるのも和室の利点。ベッドが無くても来客用の布団さえあれば対応できる手軽さは、洋間にはないメリットです。
・怪我をしづらい
和室の畳はフローリングと違ってクッション性が高く、万が一転んでも怪我をしにくいのもメリットです。転ぶことが多い小さなお子さんはもちろん、高齢のご家族がいても安心です。また、木製のドアと比べて柔らかい襖や障子も、転倒時に頭やヒジをぶつけてもケガにつながりにくいといえます。
■和室のデメリット・注意点
知らずに建ててしまうと後悔につながりやすい、和室のデメリットを紹介します。
・メンテナンスが必要
長く住むなら洋室もメンテナンスは必要ですが、畳やふすまなどがある和室はメンテナンスサイクルが短い点がデメリットの一つ。歩く頻度や環境にもよりますが、畳の表面のい草がすり減ったら3~5年前後で裏返し・表替えなどのメンテナンスが掛かります。また、畳の内部構造である畳床も、10年前後の交換が望ましいといわれています。
和紙を原料とする襖や障子は傷や破れが発生しやすく、木製の洋風建具と比べるとやはりメンテナンス頻度は多くなる傾向が。一回の費用はさほど高くありませんが、定期的なメンテナンスが必要な点は覚えておきましょう。
・洋風の家具が合わない
和のイメージが少ないヘリなし畳など、ある程度洋間にマッチする和室もありますが、やはり洋風インテリアとのマッチングは難しいでしょう。北欧系のようなナチュラルなものなら合わせやすいですが、ガラスやメタルなどモダン系は取ってつけた感が出てしまうケースも。また、雰囲気を大切にしたい純和室では、エアコンが目立つと感じる方も多いです。最近は白ではなく様々なカラーがあるため、なるべく目立たないものを選びましょう。
・日当たりが良いと日焼けする
自然素材を使った和室ならではの注意点としては、南側など日当たりが良い場所だと日焼けしやすい点。毎日少しずつのことなので気づきにくいのですが、畳・襖・障子が知らぬ間に変色していたということも少なくありません。特に部分的に日が当たる場合などは、色ムラが出て目立つケースもあります。
■和室の種類・仕上げ方の違い
一口に和室と言っても、各部の仕上げ方法によりさまざまな種類があります。仕上げ方の組み合わせによって和風ニュアンスの強弱が変わってきます。ここでは、よく見かける組み合わせとして純和風・和洋折衷・畳スペースの3つに分類して解説してみます。
純和風 | 和洋折衷 | 畳スペース | |
壁構造 | 真壁(柱が見える) | 大壁(柱は見えない) | 大壁(柱は見えない) |
壁仕上げ | 塗り壁 | 塗り壁or壁紙 | 壁紙 |
畳 | ヘリ付き畳 | ヘリなし琉球畳 | 樹脂・カラー畳 |
天井 | 木目板 | 壁紙or木目風壁紙 | 壁紙 |
建具 | 襖・障子 | 襖・障子or洋風ドア | 洋風ドア |
・純和風の和室は寝室に
畳に襖・障子・押し入れなど本格的な工法でつくる純粋な和室は、和の雰囲気が好きな方にはたまらないデザイン。柱を露出した塗り壁仕上げは、自然素材を使った気持ちの良いお部屋になります。ただし、洋間との親和性は低いため、独立した寝室などに採用するのが良いでしょう。
・和洋折衷の和室は汎用性が高い
畳を使うものの、壁と天井は壁紙で仕上げる和洋折衷タイプの和室は、襖や障子ではなく洋風のドアと組み合わせても違和感がありません。寝室はもちろん、リビングの隣で間仕切りをつけて客間やリビングの延長としてなど使い勝手の良い間取りです。選ぶ建材で和風よりにも洋風よりにも調整しやすいため、現代の住まいでは選ぶ方が多いデザインです。
・和室はいらないなら畳スペース
畳は欲しいけど和室はスペースがもったいない…と感じる方には、リビングなどに畳スペースを設けるのがおすすめ。フローリングとフラットにして畳を埋め込んだり、小上がりにしたり4.5畳程度のスペースを作る方が多いです。最近は樹脂製の畳やグリーン以外のカラー畳もラインナップしているため、洋間との相性も悪くありません。スペースを犠牲にせず畳のメリットを楽しめる便利な間取りです。
建築実例
■おしゃれで便利な和室に仕上げるコツ
さまざまなメリットがある和室ですが、上手に仕上げれば内装のおしゃれ度アップにもつながります。せっかく作るのであれば、便利でおしゃれな和室を目指しましょう。
・壁紙選びでモダンな雰囲気に
和風の畳と洋風の壁クロスですが、組み合わせ次第では意外とマッチしておしゃれに仕上がります。柄が強いものは和との相性が悪いので、なるべくシンプルな壁紙で色味を調整してあげると良いでしょう。ベージュやホワイトと組み合わせると、和モダンっぽい雰囲気に仕上げることもできますよ。
・照明にこだわる
和室と言えば吊り下げ式の昔ながらな照明器具が思い浮かびますが、おしゃれな和室を目指すならライティングにもこだわりましょう。和の雰囲気には暖色系のライトが良く似合います。和紙を使ったおしゃれな照明や、あえてシンプルなダウンライトなどさまざまな選択肢がありますので、チョイスを楽しみましょう。
・窓のカラーとのバランス
最近はアルミサッシのカラーもバリエーションが豊富なため、和室に合わせてチョイスしましょう。シルバーやグレーなどのカラーより、ブラウンやウッド調などの方が和のデザインにマッチしておしゃれに仕上がります。
・多目的に使える位置に作る
純粋な寝室としての和室も良いですが、利便性を重視するならリビングなど利用シーンが多い場所に作りましょう。食後の一休み、応接間として、読書や書斎として、多目的に使えるお部屋として活躍します。
・小上がりにして収納力アップ
リビング内に作る畳コーナーなどは、あえて一段高くする小上がりの間取りもおすすめ。床下スペースに収納を作ることができて、リビングの収納力もアップしますよ。
■新築の和室実例集
ネクストハウスが実際に建築した、新築の和室実例をご紹介します。デザインや使い勝手を参考にしてみてください。
【事例1】便利な畳の小上がりスペース
リビングの角に設けた小上がりのミニ和室は、フローリングにホコリが上がってこないため子育てスペースに最適。小さなお子さんが寝転がって遊んだり、お昼寝したりしても安心です。完全な和室ではなく、コンパクトな畳コーナーであれば設置のハードルは高くありません。これからお子さんが生まれるご家庭には、特におすすめの間取り例です。
【事例2】リビング横の多目的和室
リビング横のコンパクトな和室は、開閉式の間仕切りで客間や書斎としても使え、オープンでリビングの延長も可能。食後のお昼寝タイムやお子さんの遊び場など、多目的に使える便利なスペースです。天井と壁は洋風のクロスで仕上げ、扉も襖ではなく洋間に合わせているためデザインの違和感もありません。
建築実例
◼まとめ:自由なプランづくりで便利な和室を
メリットもデメリットもある新築の和室は、ライフスタイルに合わせて判断しないと後悔につながります。私たちネクストハウスは、お施主様のご家族構成や将来も見据え、住まい全体のバランスを考えた提案をいたします。新築の間取り作りは不安や悩みがつきものですが、どんなことも私たち住まいのプロにご相談ください。お気軽に参加いただける住まいづくり相談会や、オンライン相談も受け付けております。お気軽にどうぞ。