目次
「アパートで暮らしているとき、不満に思うことは何ですか?」
こう聞かれると、多くの人が答える不満点は「収納」です。
収納が不足すると物が生活空間に出がちになり、部屋全体が雑然とした印象になります。
収納の不満を感じた人は、一戸建てを検討するときに「ウォークインクローゼット」を希望することが多くなります。
ウォークインクローゼットはあらかじめ設置されたハンガーパイプに、スーツやジャケットなどかさばるものを掛けることができ、さらに空いたスペースに衣装ケースを置いて様々な大きさのものを収めることができます。
一方で、ウォークインクローゼットは通路部分がデッドスペースになるなど、設計段階で気にしておくべき点が複数存在します。
本記事では、ウォークインクローゼットのメリットデメリットとともに、設置するときのコツをお伝えします。
特徴をしっかり掴んで、効率的に収納できるようにしましょう。
・ウォークインクローゼットがどんなものかわかる
・ウォークインクローゼットのメリット・デメリットがわかる
・ウォークインクローゼットを設置するときのコツがわかる
目次
■そもそもウォークインクローゼットってなに?
■ウォークインクローゼットのメリット
■ウォークインクローゼットのデメリット
■ウォークインクローゼットを設置するときのコツ
■まとめ│ウォークインクローゼットは必要性や大きさをよく検討しよう
建築実例
建築実例
そもそもウォークインクローゼットってなに?
最初に、ウォークインクローゼットとはどんな収納か定義を確認してみましょう。
一般的なクローゼットは部屋や通路に沿って設置されており、中に入ることはありません。
一方でウォークインの場合は入り口に引き戸やドアがついており、内部に進入することを前提に設計されます。
アパレルショップのように頑丈なハンガーパイプが取り付けられており、夏物冬物をチェストに収めず吊るしたまま収納できます。
さらに、ハンガーパイプの上部に枕棚を設ければ季節用品を収納でき、吊るした服の下部にも大きな空間が生まれるため、フレキシブルに使えるスペースになります。
部分的に可動棚にすれば、別途衣装ケースを購入しなくても全ての服飾品を収納することも可能です。
ウォークインクローゼットは部屋として独立した収納になるので、あらゆる要望に応えられる自由度の高い部屋といえるでしょう。
ウォークインクローゼットのメリット
最初にウォークインクローゼットが優れている点を紹介します。
部屋として独立しているからこそ得られるメリットを見てみましょう。
来客に見られることがない
建築事例の多い、寝室に隣接するタイプのウォークインクローゼットの場合、来客時に見られる心配がなく一時的に散らかっていても慌てることがありません。
おすすめはできませんがリビングまわりが散らかっていたときに、一時的に物を避難する場所としても利用できます。
衣替えする必要がない
一般的なクローゼットに比べて大きな空間を持つウォークインクローゼットは、夏物も冬物も全て収納可能で衣替えをする必要がありません。
半年ごとに行っていた衣替えの手間・時間を節約することができ、その時間を他の家事にあてることができます。
また、入り口に扉がある場合はウォークインクローゼットが密室になるので、部屋全体に効果が広がるタイプの防虫剤を使用すれば、季節ごとに交換する手間を省くことができます。
何でも収納できる
ウォークインクローゼットを設置する主な目的は服飾品の収納ですが、大きな容量を持っているので服飾品以外の物も何でも収納できるのが強みです。
通常のクローゼットは奥行きが45~60cm程度で、高さ方向も制限を受けるため収納するものにも制限がかかります。
ウォークインクローゼットなら人が中に入るだけの奥行きが確保されており、最低限人の身長の高さは確保されています。
スーツケースやクリスマスツリーなど、頻繁に使わない大きなものを収納する納戸としての役割も果たしてくれるでしょう。
ウォークインクローゼットのデメリット
便利に使えるウォークインクローゼットですが、当然デメリットも存在します。
どんな弱点があるのか、ひとつずつ確認しましょう。
何でも入ってしまう
メリットであるはずの何でも入ってしまうことが最初のデメリットです。
納戸のような使い方ができるため、廃棄予定の大物を一時的に置いたり、廃棄するか迷っているものをとりあえず置いてしまうことがあります。
次々に中に詰めてしまった結果、奥に何を入れているのか分からない状態になってしまいます。また、ハンガーパイプが使えないなど、普段使いにも影響を与えてしまいます。
こういった状況を避けるためには、通路部分には一時的であっても絶対に物を置かない、いつでも物を取り出せるような状態を心がけるといったルールを決めておくことが大事です。
通路部分はデッドスペースになる
通路部分は物を置くことができず、収納できないデッドスペースになります。
床面積に余裕がない場合は、ウォークインクローゼットを設けず通常のクローゼットの奥行きを深くする対応を取りましょう。
または、通路の両面をクローゼットにして、限られた床面積を有効に使えるように配慮しましょう。
コスト増につながる
部屋を作るときに最も安価な造りは何も作らないことですが、ウォークインクローゼットを作ることで費用の増加につながります。
既製品のハンガーパイプや棚を用いれば部材費+少額の手間賃で済みますが、固定棚を細かく仕切るなど、こだわった収納にすると建築費が増えていきます。
単純な構造の収納を使用したり、棚を最低限にして建築後に徐々に増設するなど、取捨選択して家計に負担がかからないようにしましょう。
ウォークインクローゼットを設置するときのコツ
メリットデメリットが分かったところで最後に、設計段階で考えておくべきコツを紹介します。
ウォークインクローゼット内の除湿を検討する
ウォークインクローゼット内部の湿気を排除する方法を考えておきましょう。
布製品が多い服飾品は虫やカビの害を受けやすく、よい状態で保存しておくためには湿度を下げる必要があります。
最初に考えつく方法は窓をつけることです。換気経路を確保すれば、湿気を外に排出することができ、湿度を下げることができます。
一方で、窓を設置した場所には物を置くことができないので、収納量が減ってしまうデメリットがあります。
収納量を減らしたくない場合は、換気扇をつけたり、除湿機を設置することを前提にコンセントを配置しておくなど機械的に除湿する方法を考えましょう。
特に除湿機の設置は、外部の湿度が高くなる梅雨時期でも高い効果が得られるので検討してみてください。
ハンガーパイプと棚のバランスを検討する
ハンガーパイプと棚のバランスを取ることも大事です。
バランスが取れていないと、引っ越し後に掛ける収納の不足に気づき後悔につながる恐れがあるからです。
適度な配置にするためには現在持っている服飾品をリストアップして、どの程度の広さがあればよいか検討するのが一番です。
ただし、検討しても子供が大きくなったり家族が増えるなど、ライフスタイルの変化で収納のバランスが崩れることがあります。この場合はパイプ・棚の高さや数を変更できるタイプの収納を希望するとよいでしょう。
まとめ│ウォークインクローゼットは必要性や大きさをよく検討しよう
ウォークインクローゼットを設置するメリットデメリットと、設計するときに考えておくべきコツを解説しました。
どんなものでも収納できる包容力がある一方で、大きな床面積が必要になるので導入するときは他の部屋の間取りや収納とも相談する必要があります。
それでも、ウォークインクローゼットは適切な運用ができれば快適な生活につながることは間違いありません。
適切な使い方をして、便利で大きな収納を手に入れましょう。
ネクストハウスでは、自宅にいながらプロに相談できる「おうちでオンライン相談」を実施しています。
ウォークインクローゼットを設置するための間取りについて悩んだら、お気軽にお声掛けくださいね。