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住まいの悩みで常に上位に挙がるのが「収納不足」。土地の価格が高く、広い家を建てづらい東京都内の新築では特に配慮すべきポイントです。
そこで今回は、デッドスペースを活用する収納アイデアの中でも効果が大きい小屋裏収納をピックアップします。メリットや注意点、同時に検討したい収納アイデアもご紹介します。
■小屋裏収納とは
■小屋裏収納のメリット
■小屋裏収納のコストを抑えるには
■小屋裏収納の注意点と対策
■小屋裏収納と比較検討したいアイデア
■小屋裏収納はこんな人におすすめ
建築実例
■小屋裏収納とは
小屋裏収納は「グルニエ」とも呼ばれ、天井と屋根の間にある空間を活用した収納スペースのことを指します。
・高さやはしごなどに制限がある
小屋裏収納は建築基準法による規定があり、天井高さ1.4メートル以下で階下の床面積の1/2以内に収めることなどが決められています。また、固定式のはしごを設置することはできず、脱着が可能なはしごで出入りすることになります。天井の高さを上げたり、固定式の階段ははしごをつけたりすると、屋根裏であっても居室としてカウントされるので注意が必要です。
・ロフトとの違い
小屋裏収納とよく似た間取りとしてロフトが挙げられます。本来屋根裏の空間を活用するという点は同じですが、ロフトは居室から見える状態、小屋裏収納は天井に隠れて見えない状態という違いがあります。ロフトは物置のほか書斎や子供の遊び場などにも使われますが、小屋裏収納は収納メインと考えておけばOKです。
■小屋裏収納のメリット
収納力アップはもちろん、小屋裏収納にはたくさんのメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。
・デッドスペースを有効活用
間取りや屋根の形状にもよりますが、天井で隠れている屋根裏空間はかなり大きなスペースとなります。本来ならデッドスペースになる広い面積を有効活用できるのは、小屋裏収納最大のメリットといえるでしょう。土地や建物の面積を確保しづらい東京都内では、小屋裏の有効活用によるメリットは大きいです。
・大きなアイテムをしまえる
押し入れやクローゼットより広い空間を確保しやすい小屋裏収納は、家具など大きめのアイテムをしまいやすいスペースです。スキー板などの長物も入るため、普段使う収納スペースを節約できます。結果的に押し入れやクローゼットをすっきりさせることができますので、家全体の収納使い勝手アップにもつながります。
・床面積に含まれない
前述したように、法規上の制限をクリアできれば床面積に含まれないため、固定資産税の節約になる点も小屋裏収納のメリット。押し入れやクローゼットなど普通の収納は床面積に含まれてしまいます。大きなウォークインクローゼットは便利ですが、その分建物の評価総額が増え毎年の固定資産税も増加します。床面積に含まれない小屋裏収納なら、税額を増やすことなく収納力をアップできるのは意外な利点ですね。
・雨漏れを点検しやすい
本来なら天井で隠れている部分に入れるため、屋根裏を直接目視して雨漏れを点検できるのもメリットの一つ。早期発見できれば、柱や梁が濡れ続けて腐食するなど大きな被害を防げます。
■小屋裏収納のコストを抑えるには
・壁紙を貼らない
基本的に物置として使う小屋裏収納は、壁紙を貼らずに石こうボードなどで仕上げるとコストダウンできます。普段過ごすわけではありませんので、きれいに仕上げるのはもったいないですよね。ストーブなど大きなアイテムを出し入れすることも多い場所ですから、壁紙が破けてしまい見栄えが悪くなることもあります。
・窓をつけない
高さが1.4メートルしかない小屋裏収納は、基本的に居室として使うことはありませんので、窓を設ける必要もあまりありません。天窓をつけて星空を見るといったロマンチックなイメージもありますが、設備費がかかり雨漏れのリスクが増えるためできれば避けた方が良いでしょう。後述しますが頻繁に出入りする場所ではないため、明かり取りが無くても電気をつけておけば問題ありません。
建築実例
■小屋裏収納の注意点と対策
・夏場は暑くなる
二階の屋根裏は夏の直射日光を受けると、室温が40~50℃に達することも珍しくありません。断熱材によって多少は軽減できますが、構造上避けられない部分ではあります。特に完全個室タイプは熱が蓄積しやすいため、真夏の晴れた日は出し入れ時の熱中症に注意が必要です。
⇒【対策】熱に弱いものは置かない
小屋裏はお金をかけて熱対策をするより、高温に弱いものを避けて使う方が効率的です。ゴルフクラブやテニスラケットなどのカーボン製品、高温で変形する恐れがあるゴム製品などは避けましょう。
・出し入れが大変
基本的にはしごなどを使って出入りすることになる小屋裏収納は、押し入れやクローゼットと比べると荷物の出し入れは大変です。2階建ての場合は階段を上り下りする必要もあるため、労力がかかります。
⇒【対策】出し入れ頻度の低い物を収納
小屋裏収納に収納するのは「出し入れ頻度は少ないけど捨てられないもの」を選ぶのがおすすめ。例えばお子さんが学校で作った工作物や絵は、頻繁に見ることはありませんがなるべく残しておいてあげたいですよね。小さくなってしまった子供服など、思い出のあるアイテムも大きめの小屋裏収納なら残しておけます。
ストーブや扇風機、スキー用品など、特定のシーズンしか使わないアイテムをしまっておくのもおすすめです。住まいの中を探してみると、「一年に数回しか出し入れしないアイテム」は結構あるはずです。小屋裏収納にはこうした出し入れ頻度の低いアイテムをしまっておきましょう。
■小屋裏収納と比較検討したいアイデア
デッドスペースを活用して住まいの収納量をアップするアイデアをピックアップしました。
・床下収納
小屋裏と並んでデッドスペースを有効活用できる定番アイデア、床下収納も合わせて検討するのがおすすめ。サイズは小さくなりますが、熱が溜まることが少ないため収納アイテムに気を使わなくて良い点が大きなメリットです。出し入れ時の負担が少なく、比較的気軽に出し入れできる点も魅力的。
・外部物置
お庭の広さに余裕があるなら、後付けの外部物置も有効に活用したいですね。レジャー用品や部活の道具など、外で使ったアイテムをそのまま収納できるのが便利なポイント。ただし、日当たりが悪くなったり、強風で倒れたりするリスクもあるため、設置の際はしっかり検討する必要があります。
■小屋裏収納はこんな人におすすめ
屋根裏のスペースを使った小屋裏収納のメリットが大きいパターンを考えてみましょう。当てはまる方は、ぜひ小屋裏収納を検討してみてくださいね。
・これから子育てを控えている
お子さんが小さい方やこれから生まれる方など、子育て世代なら小屋裏収納を作るメリットは大きいです。進学や部活など、成長とともにお子さんの荷物はどんどん増えていきます。「スペースがないから」という理由でお子さんの可能性を狭めないように、小屋裏収納でのびのび子育てする準備をしておきましょう。
・アウトドアなど趣味が多い
スキーやスノーボード、釣りにキャンプ、特にアウトドア系の趣味は大きなアイテムが多いため、小屋裏収納があると便利です。テントやスキー板など、アイテムのメンテナンスが室内でできる点も良いですね。
・平屋を建てたい人
二階がない平屋は、小屋裏収納との相性が良い間取りです。床面積を節約して平屋の居住空間を確保するためにも、広い屋根裏はぜひ有効活用したいところ。吹き抜けやロフトと組み合わせるなど、いろいろなパターンを考えてみましょう。
建築実例
■まとめ:デッドスペースを活用してスマートな収納ハウスを
思い出の品や趣味のアイテムなど、暮らしの中で荷物はどんどん増えていくもの。収納がパンパンで暮らしづらい住まいにならないよう、デッドスペースを活用して収納たっぷりのスマートな家を建てましょう。
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