「住んではいけない土地の特徴を知りたい」、「候補の土地は住んでも大丈夫なのか気になる」とお悩みの方へ。
法律上、住宅を建てられない土地や建築が厳しく制限される土地は確かに存在します。
本記事では、法律上「住んではいけない土地」に当たるもの、住む場合に注意が必要な土地、費用がかさむ土地、ご自身で見分ける際の手順を解説します。
土地選びで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムを読んだら分かること
・法律上、住宅を建てられないのは工業専用地域などに限られます。
・土砂災害特別警戒区域・保安林・国立公園の特別地域は、建築が厳しく制限されます。
・土地選びの際は、候補地の災害リスクや地形、法律上の制限等について、事前に確認しましょう。

「住んではいけない土地」はあるのか

法律上、住宅を建ててはならない土地は確かに存在します。
ただし、その範囲は限られており、多くの土地は「条件付きで検討できる土地」です。
ここでは、住宅の建築が認められない土地や、厳しい制限がかかる土地について解説します。
| 区分 | 根拠となる法律 | 住宅建築の扱い |
|---|---|---|
| 工業専用地域 | 建築基準法 | 住宅の建築は不可 |
| 土砂災害特別警戒区域 | 土砂災害防止法 | 建物の構造規制と開発の許可制。住宅ローン減税の対象外にもなる |
| 保安林 | 森林法 | 伐採や土地の形質変更に許可が必要。宅地化には保安林指定の解除が前提 |
| 国立公園の特別地域 | 自然公園法 | 工作物の新築・改築・増築は許可制 |
| 災害危険区域 | 建築基準法(条例) | 自治体の条例で住宅の建築を禁止できる |
工業専用地域は、建築基準法の用途地域のなかで唯一、住宅を建てられない地域です。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、土砂災害防止法に基づき、崖崩れなどが起きたときに建物が壊れて住民の生命に著しい危害が生じる恐れがある区域として指定されています。
区域内では、居室のある建物の構造が規制され、宅地分譲などの開発行為は都道府県知事の許可制です。
〈参照〉e-Gov法令検索 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
保安林は、水源のかん養や土砂の流出防止などの目的で農林水産大臣が指定する森林です。
都道府県知事の許可なく立木を伐採したり、開墾などで土地の形質を変えたりすることはできません。
指定の解除は、指定理由の消滅や公益上の理由がある場合に限られるため、宅地としての利用は現実的ではありません。
国立公園の特別地域では、工作物の新築・改築・増築に環境大臣の許可が必要です。
候補の土地がこれらに当たるかどうかは、自治体の窓口で確認できます。
住む場合は注意が必要な土地

法律上は建てられても、命や財産を損なう恐れがある土地は、対策の要否を確認してから決める必要があります。
ここでは、住む場合に注意が必要な土地について解説します。
災害リスクが懸念される土地
洪水や土砂災害、津波の想定区域に入る土地は、住めないわけではありません。
災害リスクの大きさと対策を把握したうえで、適切な判断が求められます。
なお、不動産会社には、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明で、以下の項目に関する説明義務があります。
- 土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域に入っているかどうか
- 造成宅地防災区域に入っているかどうか
- 水害ハザードマップ上の位置
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は、前述の特別警戒区域より広い範囲で、避難体制の整備が求められる区域です。
建築の規制はありませんが、大雨のときに避難が必要になる土地である点に注意が必要です。
浸水想定区域では、想定される浸水の深さによって、基礎を高くする、2階に寝室を置くなどの対策の要否が変わります。
自治体の条例で災害危険区域に指定されている土地は、住宅の建築そのものが禁止されている場合があるため、区域の有無を必ず確認してください。
地震への備えを含めた土地選びの考え方については、以下の記事で解説しています。
〈関連コラム〉首都直下地震に効果的な備えと対策|想定される被害・今からできること
地盤が弱い土地や液状化の恐れがある土地
地盤が弱く、液状化の恐れがある土地を選ぶ際にも、注意が必要です。
その土地の地盤の強さを、見た目だけで判断するのは困難です。
軟弱な地盤では、地盤改良や杭工事が必要になり、その費用が土地代に上乗せされることがあります。
かつて田んぼや沼地、川筋だった土地、盛土で造成した土地は、地盤が弱い傾向があります。
液状化は、地下水位が高い砂質の地盤で強い揺れが起きたときに、地面が液体のようになって建物が傾く現象です。
埋立地や旧河道、砂丘の縁などで起きやすく、自治体が公表する液状化ハザードマップで想定エリアを確認できます。
古い擁壁がある土地
高低差のある土地で、古い擁壁が残っている場合は注意が必要です。
国土交通省は、構造的に不安定になっている擁壁や老朽化で機能が低下した擁壁は、地震による倒壊の危険性が高いことを示唆しています。
石を積んだだけの空石積みや、既存の擁壁の上に積み増した擁壁など、技術基準を満たさない構造は不安定なものが多いとされています。
擁壁を造り直す場合、高さ2mを超えるものは工作物として確認申請が必要になり、費用も大きくなります。
擁壁付きの土地を検討する場合は、検査済証の有無と擁壁の状態を売主に確認したうえで判断しましょう。
建てられない・建て替えられない土地

前述した「住んではいけない土地」とは別に、法律の制限で家を建てられない、または建て替えられない土地があります。
その代表的な例として、「接道義務を満たさない土地」と「市街化調整区域の土地」について解説します。
接道義務を満たしていない土地
建築基準法第43条では、建物の敷地は道路に2m以上接していなければならないと定められています。
ここでいう道路は、建築基準法上の道路で、見た目が道でも該当しない通路や私道があります。
接道の幅が2mに満たない土地や、道路に接していない土地は、新築も建て替えもできない「再建築不可の土地」です。
古家付きの土地が周辺の土地と比べて明らかに安い場合は、この条件に当てはまるケースがあるため注意が必要です。
購入前に、前面の道が建築基準法上の道路かどうか、接する幅が2m以上あるかを、自治体の担当課で確認しましょう。
市街化調整区域にある土地
市街化調整区域は、都市計画法で市街化を抑える区域とされ、原則として住宅を建てるための開発や建築が制限されています。
開発行為には都道府県知事の許可が必要で、開発許可を受けた区域以外での建築も許可制です。
農林漁業を営む方の住宅など、例外的に認められる用途もありますが、一般のご家族の住まいとして自由に建てられる土地ではありません。
価格が安く広い土地が多いため魅力的に見えますが、許可の見込みを確認してから検討を進めてください。
市街化調整区域で建てられる条件や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連コラム〉市街化調整区域に家を建てるには?建てられる条件と注意点を解説
権利関係が整理されていない土地

土地の権利関係が整理されていない土地は、購入後のトラブルや追加費用の原因になります。
確認すべき主な項目は、以下のとおりです。
- ・所有者が亡くなったまま相続登記が済んでいない土地
- ・複数人の共有名義で、全員の同意が取れていない土地
- ・抵当権や差押えの登記が残っている土地
- ・隣地との境界が確定していない土地
- ・借地権や地役権など、第三者の権利が設定されている土地
相続登記については、不動産登記法の改正により、相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になりました。
登記が済んでいない土地は、売主が真の所有者かどうかを確認しにくく、契約までに時間がかかります。
また、境界が確定していない土地では、隣地との立ち会いのうえで測量を行う必要があり、費用と時間がかかるうえ、面積が想定より小さくなるケースもあります。
トラブルを避けるには、登記事項証明書で所有者と権利を確認し、境界は測量図と現地の境界標で確かめることが大切です。
住めるが費用がかさむ土地

住むこと自体に問題はないものの、費用がかさむ土地も存在します。
ここでは、土地代が安く見えても総額が高くなる可能性がある土地を紹介します。
上下水道やガスが引き込まれていない
前面道路に上下水道の本管が通っていても、敷地内まで引き込みがない土地では、引き込み工事が必要です。
本管が前面道路になく、遠くから延長する場合は、距離に応じて工事費が膨らみます。
また、下水道が整備されていない地域では、浄化槽の設置と維持管理の費用が必要です。
都市ガスが引き込まれていないエリアの場合は、プロパンガスかオール電化になり、設備の選び方が変わります。
上下水道の本管の位置と口径、ガスの供給状況は、自治体の担当課やガス会社で確認できます。
道路や隣地との高低差がある
道路や隣地との高低差がある土地は、造成や擁壁、階段状のアプローチが必要になり、その分の費用が上乗せされます。
道路より低い土地では雨水の排水対策が、道路より高い土地では擁壁や駐車場の確保が課題です。
高低差が大きい土地では、擁壁の造り直しだけで建物本体の予算を圧迫することもあります。
一方で、見方を変えると、高低差を生かした眺望や、道路からの視線が届かない暮らしやすさが得られる土地でもあります。
変形地・狭小地・旗竿地
三角形や台形の変形地、面積の小さい狭小地、細い通路の奥に敷地がある旗竿地は、整形地より安く手に入りやすい土地です。
ただし、建物の形や配置に制約が出るため、設計の工夫と、それに伴う費用が必要になります。
旗竿地では、通路部分の幅が2m以上あるかどうかで建築の可否が決まり、駐車スペースの確保や工事車両の進入が課題になります。
狭小地では、3階建てや吹き抜けなどで空間を確保しようとすると、建物や設備の費用が上がりやすくなる点に注意が必要です。
ネクストハウスの「オリジナルオーダーシステム」は、延べ床面積をもとに建物価格を決める定額プランです。
土地の形に合わせてプランを調整しても、当初の前提条件が変わらなければ建物価格は変わりません。
費用が読みにくい土地ほど、建物代を先に確定させたうえで、造成や外構の追加費用を含めた総額を把握することが大切です。
変形地や旗竿地での家づくりの工夫については、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連コラム〉不整形地・変形地とは?旗竿地、三角形の土地など特殊な形状の土地での家づくり
土地の見分け方|実際に調べる手順を紹介

ここからは、住むべき土地の見分け方を解説します。
どんな順番で何を確認すればよいのかを、詳しく見ていきましょう。
ハザードマップで災害リスクを確認する
まずは、候補地の災害リスクを確認します。
国土交通省が公開する「ハザードマップポータルサイト」の「重ねるハザードマップ」では、住所を入力すると、洪水・土砂災害・高潮・津波の想定区域を地図に重ねて表示できます。
液状化や地震の揺れやすさなどを確認したい場合は、同じサイトの「わがまちハザードマップ」から各自治体の公開資料へ進んで確認します。
また、東京都内の土地であれば、東京都防災ホームページから利用できる「東京都防災マップ」で、土砂災害警戒区域や特別警戒区域、避難所の位置などを地図上で確認できます。
被害想定区域に入っている場合は、想定される浸水の深さや土砂災害の種類まで確認したうえで、対策の要否を設計者と相談しましょう。
地形図で土地の成り立ちを確認する
ハザードマップに載らない地盤の弱さは、土地の成り立ちから推測できます。
国土地理院が公開する「地理院地図」では、「地形分類」を表示すると、その土地が台地なのか、旧河道や後背湿地なのかといった成り立ちと、想定される自然災害リスクを確認できます。
治水地形分類図も地理院地図で重ねられ、川沿いの低地や旧河道の範囲が分かります。
また、国土地理院の「図歴(旧版地図)」では、明治以降の古い地図を閲覧でき、候補地がかつて田んぼや沼、川だったかどうかを調べられます。
成り立ちに不安がある土地は、契約前に地盤調査の実施を検討するか、地盤改良費を見込んで予算を組んでおきましょう。
市区町村に確認する
最後に、市区町村の担当課で法律上の扱いを確認します。
担当課で確認すべき内容は、以下のとおりです。
- ・用途地域や市街化調整区域の指定有無
- ・前面道路の種別や接道の可否
- ・上下水道の本管の位置
- ・土砂災害警戒区域や災害危険区域の指定有無
- ・擁壁の検査済証の有無
窓口では、地番や住所が分かる資料を持参すると、その場で回答を得やすくなります。
電話でも対応してもらえる自治体が多いため、候補地が決まった段階で早めに問い合わせてください。
ネクストハウスは、東京・千葉・神奈川・愛知・熊本に拠点を置き、土地探しからのご相談にも対応しています。
候補地の確認と家づくりを一緒に進めたい方は、お気軽にご相談ください。
「住んではいけない土地」に関するよくある質問

最後に、「住んではいけない土地」に関するよくある質問に、家づくりのプロの視点でお答えします。
Q:風水でよくないとされる土地は避けるべきですか?
風水は法律上の制限や災害リスクとは別の、価値観や気持ちの問題です。
どうしても気になる場合は、避けるのが無難です。
ただし、それだけを理由に候補を狭めたり、逆に安全面の確認を省いたりするのはおすすめしません。
三角形の土地や道路の突き当たりの土地など、風水で避けられがちな土地の一部は、日当たりや交通の面で注意が必要なケースもあります。
その場合も、法律・災害リスク・費用の3つの視点で確認すれば、避けるべきかどうかを客観的に判断できます。
Q:すでに土地を買ってしまった場合はどうすればよいですか?
まず、その土地が「住んではいけない土地」に当たるのか、「注意が必要な土地」なのかを切り分けて考えましょう。
災害リスクや地盤、高低差の問題であれば、基礎の高さや地盤改良、擁壁の補強、間取りの工夫で対策できる場合があります。
接道や市街化調整区域など法律上の問題がある場合は、市区町村の担当課で建築の可否と許可の条件を確認します。
契約時に説明されていなかった重要な事項があれば、不動産会社に説明を求めてください。
Q:安い土地には必ず理由がありますか?
多くの場合、周辺相場より大きく安い土地には、価格に織り込まれた理由があります。
例えば、再建築不可、市街化調整区域、災害の想定区域、高低差や変形地、権利関係の未整理などが代表的な理由です。
ただし、理由があるからといって、すべてが避けるべき土地ではありません。
高低差や変形地のように、対策費を足しても総額で有利になる土地もあります。
安さの理由を確認し、納得したうえで判断することが大切です。
まとめ|住んではいけない土地は3つの視点で確認する

住んではいけない土地かどうかは、「法律上建てられるか」、「命や財産を守れるか」、「費用と権利の負担はどれくらいか」の3つの視点で確認します。
法律上建てられない土地は工業専用地域などに限られ、土砂災害特別警戒区域や保安林、国立公園の特別地域は厳しい制限を受けます。
土地を見分ける際は、ハザードマップ、地形図、市区町村窓口を活用して、確認項目を漏れなくチェックしましょう。
ネクストハウスでは、延べ床面積で建物価格が決まる「オリジナルオーダーシステム」を採用しています。
建物代を先に確定できるので、総額を検討しやすいのが特徴です。
G2グレード(UA値0.46以下)と耐震等級3を標準仕様とし、土地探しから設計・施工まで一貫して対応しています。
候補の土地に不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。
スタッフが、土地の条件を確認したうえで、必要な対策と土地・建物を合わせたプランをご提案いたします。




















