「家が高すぎて買えない」、「今は買わずに待ったほうがいいのか」とお悩みの方へ。
住宅の価格は実際に上がっており、その背景は建築費や地価の上昇にあります。
一方で、土地の選び方、減税や補助金、建物の広さの決め方によって、総額を下げて予算内で家を建てることは十分に可能です。
本記事では、家が高いと感じる理由と今後の見通し、現実的な対策、そして買うか待つかを判断する考え方を解説します。
家づくりの予算に不安をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムを読んだら分かること
・住宅の建築費を示す建設工事費デフレーター(木造住宅)は、2020年度の100から2026年6月には126.7まで上がっています。
・住宅地の地価は全国平均で5年連続の上昇で、東京圏は前年比で4.5%も上昇しています。
・購入の判断は、賃貸との支払総額と住宅ローン完済時の年齢をもとに検討しましょう。

「家が高すぎて買えない」と感じるのはどうしてか

「家が高すぎる」という感覚には、はっきりとした裏付けがあります。
国土交通省の令和7年度「住宅市場動向調査」によると、土地を購入して注文住宅を建てた世帯の購入資金は、全国平均で7,646万円でした。
| 区分 | 購入資金の平均額(土地購入資金を含む) |
|---|---|
| 全国 | 7,646万円 |
| 三大都市圏 | 1億27万円 |
| 首都圏 | 1億1,674万円 |
| 初めて住宅を取得した世帯(全国) | 5,839万円 |
令和3年度の全国平均は5,112万円でしたので、4年間で2,500万円以上上がったことになります。
この調査で注文住宅を建てた方から最も多く挙がった不満も、「価格(予定より高くなった)」でした。
価格が上がった理由は、「建築費の上昇」と「地価の上昇」の2つに分けると整理しやすくなります。
建築資材と人件費の高騰
建築費の上昇は、国土交通省が公表している「建設工事費デフレーター」で確認できます。
建設工事費デフレーターとは、工事に使う資材や労務などの価格の動きを、2020年度を100として指数化した統計データです。
ここでは、建設工事費デフレーター(木造住宅)の数値を紐解いていきます。
| 年度 | 木造住宅の指数(2020年度=100) |
|---|---|
| 2020年度 | 100.0 |
| 2021年度 | 110.3 |
| 2022年度 | 116.7 |
| 2023年度 | 114.8 |
| 2024年度 | 118.8 |
| 2025年度 | 122.3 |
| 2026年6月 | 126.7 |
2020年度から2025年度までの5年間で22.3ポイント、2026年6月時点では27ポイント近く上がっています。
さらに、人件費も上がり続けています。
国土交通省が2026年3月から適用する公共工事設計労務単価は、全国全職種の単純平均で前年度比4.5%の引き上げとなり、14年連続の上昇です。
〈出典〉国土交通省 令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について
公共工事の積算に使う単価ですが、実際に支払われた賃金の調査に基づいて決められるため、建設業で働く技能者の賃金が上がり続けていることを示しています。
資材と人件費の両方が上がった結果、同じ広さ・同じ仕様の家でも、5年前より2割以上高い工事費がかかる状況になっています。
地価の上昇と住宅需要の増加
土地の価格も上がり続けています。
国土交通省の令和8年地価公示によると、住宅地の地価は全国平均で前年比で2.1%高くなり、5年連続の上昇でした。
| 圏域・都県 | 住宅地の変動率(前年比) |
|---|---|
| 全国平均 | 2.1% |
| 三大都市圏平均 | 3.5% |
| 東京圏 | 4.5% |
| 東京都 | 6.5% |
| 千葉県 | 4.6% |
| 神奈川県 | 3.4% |
| 埼玉県 | 2.0% |
| 愛知県 | 1.8% |
| 地方圏(札幌・仙台・広島・福岡を除く) | 0.6% |
上昇幅が大きいのは三大都市圏で、特に東京都は6.5%の上昇です。
この上昇について国土交通省は、住宅需要が引き続き堅調で、中心部のマンション需要が旺盛な地域や、子育てしやすい環境が整って転入者が多い地域で地価上昇が続いていると分析しています。
実際に支払われた土地代も上がっています。
令和7年度の住宅市場動向調査では、土地を購入して注文住宅を建てた世帯の土地購入資金は全国平均で2,674万円、首都圏では5,083万円でした。
全国平均は令和3年度の1,769万円から、4年間で900万円以上上がっています。
東京で土地から探す場合の費用相場と予算オーバー対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連コラム〉東京で家を建てる費用はどれくらい?知っておきたい相場と規制、予算オーバーへの対策4選
住宅価格は今後上がるか、下がるか

結論からお伝えすると、住宅価格は当面、上昇基調が続く可能性が高いです。
ただし、将来の価格を断定することはできません。
ここでは、前章で見た「価格上昇の2つの要因」が、今どちらの方向に動いているかを整理します。
| 要因 | 直近の動き | 価格への影響 |
|---|---|---|
| 建築費(資材・人件費) | 建設工事費デフレーターは2026年に入っても上昇を続け、労務単価は14年連続で上昇 | 上昇要因 |
| 地価 | 住宅地は全国で5年連続の上昇。三大都市圏は上昇幅が拡大 | 上昇要因(都市部ほど大きい) |
建築費を押し上げている資材費と人件費は、2026年に入っても上昇が続いています。
特に、人件費は14年連続で上がり続けており、一度上がった賃金が短期間で下がることは考えにくいため、建築費が大きく下がる展開は見込みにくい状況です。
地価は、三大都市圏で上昇幅が広がる一方、地方圏では上昇率が小さく、地域による差が開いています。
「下がるまで待つ」という判断は、少なくとも都市部では、待っている間に建築費と地価の両方が上がるリスクを伴います。
加えて、購入を先延ばしにするほど住宅ローンを組める期間は短くなる点にも注意が必要です。
そのため、価格の上下を予想するより、今の価格で無理なく買える条件を整理するほうが現実的です。
ネクストハウスの「オリジナルオーダーシステム」は、延べ床面積をもとに建物価格を決める定額プランのため、土地代を含めた総額の見通しを早い段階で立てられます。
「予算内でどんな家を建てられるのか」を具体的な数字で確かめたい方は、お気軽にオンライン相談をご利用ください。
「家が高すぎて買えない」ときの現実的な対策

ここからは、「家が高すぎて買えない」ときに現実的な3つの対策を解説します。
| 対策 | 下げられる費目 | ポイント |
|---|---|---|
| 郊外エリアも視野に入れる | 土地代 | 通勤時間とのバランスで判断する |
| 住宅ローン減税・補助金を活用する | 税負担・自己負担 | 住宅の性能要件と期限を確認する |
| 建物の広さや仕様を工夫する | 建物代 | 延べ床面積と優先順位で調整する |
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
郊外エリアも視野に入れて土地価格を抑える
土地代を下げるのに効果的な方法は、少し視野を広げて土地を探すことです。
令和8年地価公示の市区別の平均価格を見ると、同じ東京圏でも住宅地の価格には大きな差があります。
| 市区 | 住宅地の平均価格(1㎡あたり) |
|---|---|
| 東京都区部 | 85万6,400円 |
| 練馬区 | 48万500円 |
| 立川市 | 30万8,400円 |
| 八王子市 | 13万1,300円 |
| 横浜市 | 26万6,000円 |
| 相模原市 | 19万3,800円 |
| さいたま市 | 24万6,700円 |
| 所沢市 | 19万3,200円 |
| 船橋市 | 19万8,600円 |
| 柏市 | 14万1,700円 |
40坪(約132㎡)の土地で試算すると、都区部平均では約1億1,300万円、八王子市では約1,730万円と、土地代だけで9,000万円以上の差になります。
同じ神奈川県でも、横浜市と相模原市では1㎡あたり7万円以上、千葉県でも船橋市と柏市では5万円以上の差があります。
エリアを広げるときは、通勤時間が延びる分をどこまで許容できるかを判断基準に据えて検討しましょう。
郊外エリアの選び方や通勤時間の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連コラム〉東京のベッドタウンにおすすめのエリア|住みやすさ・選び方の基準を解説
〈関連コラム〉通勤時間の許容範囲はどこまで?理想・目安と後悔しない土地選びの考え方を解説
住宅ローン減税や補助金を活用する
住宅ローン減税や補助金を上手に活用することで、実質的な負担額を下げられます。
住宅ローン減税は、年末のローン残高の0.7%を、所得税(一部は翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。
令和8年度の税制改正で適用期限が5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合が対象になりました。
控除の上限となる借入限度額は、住宅の性能によって次のように分かれています。
| 新築住宅の区分 | 借入限度額 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
たとえば、長期優良住宅で年末残高が4,500万円あれば、初年度の控除額は最大31万5,000円です。
控除は納めた所得税と住民税の一部が上限になるため、実際の額はご家庭の税額によって変わります。
補助金は、2026年度は国の「みらいエコ住宅2026事業」が実施されており、GX志向型住宅は1戸あたり110万円、子育て世帯・若者夫婦世帯が建てる長期優良住宅は75万円、ZEH水準住宅は35万円が補助されます(寒冷地は加算あり)。
補助金は予算の上限に達すると受付が終わる仕組みのため、検討中の方は早めに住宅会社へ相談しましょう。
「みらいエコ住宅2026事業」の補助額や対象条件の詳細は、以下の記事で解説しています。
〈関連コラム〉みらいエコ住宅2026事業の制度を解説│補助金額や対象条件、気になる疑問にも回答
契約前に、その時点で申請できる補助金と受付状況を住宅会社に確認することが大切です。
ネクストハウスでは、断熱等級6にあたるHEAT20 G2グレード(UA値0.46以下)を標準仕様とし、長期優良住宅の基準を満たした住まいを提供しています。
標準仕様でも、減税や補助金の上位区分を狙いやすいのが特徴です。
認定の取得や補助の対象になるかどうかはプランや申請時期によって変わりますので、気になる方はお気軽にご確認ください。
建物の広さや仕様を工夫して建築費用を抑える
延べ床面積は、建物の価格を大きく左右する要素です。
廊下を減らして部屋をつなげる、収納を壁面に集める、外壁の凹凸を減らすといった工夫で、暮らしやすさを保ったまま面積を絞れます。
仕様については、キッチンや浴室などの水回り、窓の数や大きさで金額が動きやすいため、優先順位を決めて選ぶことが大切です。
ただし、面積や仕様を削ったのに、見積もりの総額が思うように下がらないケースもあります。
住宅市場動向調査でも、注文住宅を建てた方の不満で最も多かったのは「価格(予定より高くなった)」でした。
暮らしやすい間取りの考え方や予算オーバーの対策については、以下の記事を参考にしてください。
〈関連コラム〉【小さい家で十分?】小さな家の間取りのコツを解説│コンパクトハウスの事例も
〈関連コラム〉【注文住宅】予算オーバーする原因と対策│費用を削る5つの方法をご紹介
「家を買うべきか、待つべきか」を判断する軸

価格の見通しだけでは、「家を買うべきか、待つべきか」を決められません。
住宅購入で判断の軸にすべきなのは、賃貸と比べた支払総額と、住宅ローンを返し終える年齢の2つです。
賃貸と比較して支払総額を検討する
「家賃を払い続けるより買ったほうが得」と言われますが、結論は住む地域と選ぶ物件、金利によって変わります。
そのため、平均値ではなく、現在の家賃と借入額で支払総額を試算することが大切です。
ここでは、以下の条件で35年間の支払額を比較します。
- 賃貸:家賃12万円、更新料は2年ごとに家賃1か月分、家賃は35年間据え置き
- 購入:借入額4,500万円、全期間固定金利1.5%、返済期間35年、元利均等返済
| 比較項目 | 賃貸 | 購入 |
|---|---|---|
| 35年間の支払額 | 5,244万円(家賃5,040万円+更新料204万円) | 5,787万円(毎月約13万8,000円の返済) |
| 35年後に残るもの | なし | 土地と建物 |
| 別途かかる費用 | 引っ越しや更新時の費用 | 固定資産税、修繕費、火災保険料、購入時の諸費用 |
| 負担を減らす制度 | なし | 住宅ローン減税 |
上記の条件では、支払総額は購入のほうが約540万円多くなりますが、35年後には土地と建物が手元に残ります。
一方で、固定資産税や修繕費を加えると差は広がり、金利が2.0%なら総返済額は6,261万円です。
反対に、家賃が上がる前提を置けば、賃貸側の総額も増えるため、どちらが有利かは前提の置き方で変わります。
より精度の高い比較をする場合は、金融機関のシミュレーションや住宅会社の資金計画相談などで、候補地の家賃相場と実際の借入条件を当てはめて比べてください。
住宅ローン完済時の年齢・健康リスクを踏まえる
購入を先延ばしにすると、住宅ローンを返し終える年齢が上がっていきます。
ここで注意すべきなのが、「健康状態」に関する審査項目です。
国土交通省の令和7年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、回答した金融機関の98.4%が完済時年齢を、96.1%が健康状態を審査項目に挙げています。
完済時年齢の設定は「80歳未満」が最も多く、住宅金融支援機構の【フラット35】の利用条件でも、借入期間の上限は「80歳から申込時の年齢を引いた年数」と「35年」の短いほうと設定されています。
同じ借入額でも返済期間が短くなれば毎月の返済額は上がり、収入が減る定年後まで返済が残るケースがあるのです。
健康面のリスクも、時間とともに高まります。
団体信用生命保険に加入するには健康状態の告知が必要で、持病があると加入できない場合があります。
【フラット35】のように、健康上の理由で団体信用生命保険に加入できなくても利用できる住宅ローンはありますが、その場合は残債に備える別の手段が必要です。
「住宅購入を待つ」という選択には、価格の変化だけでなく、借りられる期間が短くなり、健康面の条件が厳しくなるリスクも含まれています。
年代別の注意点と完済時年齢の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
〈関連コラム〉家を買ってはいけない・建ててはいけない年齢とは?完済時年齢から考える住宅購入のタイミング
住宅価格の高騰に関するQ&A

最後に、住宅価格の高騰に関するよくある質問に、家づくりのプロの視点でお答えします。
Q:住宅ローンの審査に通らない場合はどうすればよいですか?
まずは、審査でどの項目が引っかかったのかを整理することから始めましょう。
令和7年度の「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、完済時年齢のほか、年収(94.2%)、勤続年数(93.9%)、返済負担率(90.9%)を審査項目とする金融機関が9割を超えています。
年収に対する返済額の割合が高い場合は、借入額を減らす、自動車ローンなど他の借入れを先に返す、収入合算を使うといった方法があります。
勤続年数の基準は「1年以上」とする金融機関が最も多いため、転職直後の方は1年経ってから申し込む選択肢もあります。
審査に通る上限まで借りるのではなく、無理なく返せる額に見直すことが大切です。
Q:中古住宅とリフォームの組み合わせは選択肢になりますか?
はい、選択肢になります。
令和8年度の税制改正では、省エネ性能の高い既存住宅について住宅ローン減税の借入限度額が引き上げられ、控除期間も13年間に拡充されました。
既存住宅の借入限度額は、長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅で3,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)、省エネ基準適合住宅で2,000万円(同3,000万円)です。
〈出典〉国土交通省 既存住宅を取得したとき(住宅ローン減税)
ただし、1981年12月31日以前に建築された住宅は、現行の耐震基準を満たすことの証明書が必要です。
断熱や耐震の改修費が想定より膨らみ、新築との差が縮まるケースもあります。
購入前に建物の状態を調べ、改修費を含めた総額で新築と比べてから決めてください。
まとめ|家が高すぎて買えないと感じたら、具体的な対策で検討を

家が高いと感じる背景には「建築費と地価の2つの上昇」があり、当面は上昇基調が続く可能性が高い状況です。
ただ、郊外エリアの検討、住宅ローン減税と補助金の活用、延べ床面積と仕様の見直しで、総額は現実的に下げられます。
住宅を買うか待つかは、賃貸と比べた支払総額と、住宅ローンを返し終える年齢をご自身の数字で確かめて判断してください。
「予算内でどんな家が建てられるのか」を確かめたい方は、ネクストハウスへお気軽にご相談ください。
スタッフが、ご希望のエリアとご予算を伺いながら、お客様に最適なプランをご提案いたします。



















