「家を買ってはいけない年齢があると聞いた」、「自分の年齢で住宅ローンを組めるのか不安」とお考えの方へ。
結論からお伝えすると、「この年齢では家を買えない」という制度上の決まりはありません。
判断の軸になるのは、年齢そのものではなく、住宅ローンを何歳までに返し終えるかという完済時年齢です。
本記事では、金融機関が完済時年齢をどう扱っているか、実際に家を建てている方の年齢層、20代から50代以降までの年代別の注意点を解説します。
家づくりのタイミングで不安を抱えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムを読んだら分かること
・年齢制限を設けた法令はありませんが、多くの金融機関は完済時年齢を80歳未満に設定しています。
・注文住宅を取得した世帯主の平均年齢は44.7歳です。
・借入期間の上限は46歳以降1年ずつ短くなり、毎月の返済額が上がります。

「家を買ってはいけない年齢」はある?その理由とは

住宅購入を年齢で制限する制度や法令は存在せず、明確な基準も決まっていません。
ただし、「買ってはいけない年齢」の基準としてよく挙げられるのは、住宅ローンの審査基準です。
年齢が上がるほど借入期間の上限が短くなり、毎月の返済額が上がる仕組みが、購入時期の制約として受け取られています。
まずは、金融機関が実際にどのような基準を置いているのかを確認していきましょう。
多くの金融機関は完済時年齢80歳未満を基準にしている
住宅ローンの審査で、年齢に関わる項目として重く見られているのが完済時年齢です。
国土交通省の令和7年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、回答した994機関のうち98.4%が完済時年齢を審査項目に挙げています。
設定内容の内訳では「80歳未満」が最も多く、「85歳未満」や「75歳未満」とする機関もありました。
借入時年齢についても96.2%の機関が審査項目としており、「65歳未満」、「70歳未満」といった上限が置かれています。
全期間固定金利の【フラット35】も、同じ考え方を採用しています。
申込時の年齢は満70歳未満とされ、借入期間の上限は「80歳から申込時の年齢(1年未満切上げ)を引いた年数」と「35年」のうち、短いほうです。
この条件を年齢別にあてはめると、次のようになります。
| 申込時の年齢 | 借入期間の上限 | 完済時の年齢 |
|---|---|---|
| 25歳 | 35年 | 60歳 |
| 35歳 | 35年 | 70歳 |
| 45歳 | 35年 | 80歳 |
| 50歳 | 30年 | 80歳 |
| 55歳 | 25年 | 80歳 |
| 60歳 | 20年 | 80歳 |
| 65歳 | 15年 | 80歳 |
借入期間の上限が縮み始めるのは、申込時の年齢が45歳を超えたあたりからです。
この時期を境に選べる返済プランが狭まるため、45歳あたりから「家を買ってはいけない年齢」に入ってきているのではないか、と言われることがあります。
なお、年齢の基準は金融機関ごとに異なります。
完済時年齢を85歳未満とする機関であれば、50歳以降の申込みで借入期間を5年長く取れる計算になります。
ただし35年という上限があるため、45歳以下では基準が変わっても借入期間は変わりません。
住宅ローンで変動金利を検討中の方は、以下の記事も参考にしてください。
〈関連コラム〉【変動金利はヤバい】は本当?指摘される理由やメリット、デメリットも解説
国土交通省の調査で見る住宅取得者の平均年齢
実際に家を建てている方の平均年齢や年齢別の割合は、国土交通省の「住宅市場動向調査」で確認できます。
令和7年度の調査における、注文住宅を取得した世帯の世帯主の年齢は次のとおりです。
| 世帯主の年齢 | 全国 | 三大都市圏 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 11.6% | 9.9% |
| 30代 | 38.5% | 33.6% |
| 40代 | 17.4% | 16.1% |
| 50代 | 11.2% | 13.5% |
| 60歳以上 | 21.2% | 26.6% |
| 平均年齢 | 44.7歳 | 47.0歳 |
30代が最も多い一方で、60歳以上も21.2%と、世帯主5人のうち1人以上が当てはまります。
新築と建て替えに分けると、傾向の違いがはっきりします。
平均年齢の44.7歳は、新築と建て替えを合わせた注文住宅全体の平均です。
同じ調査で内訳を見ると、新築を建てた世帯主の平均年齢は41.6歳、建て替えを行った世帯主の平均年齢は63.5歳でした。
建て替えでは60歳以上が66.7%を占めており、すでに土地と住まいを持つ方が、住み替えずに建て直す形が中心になっています。
年代別に見る家を建てるときのポイントと注意点

ここでは、家を建てるときのポイントと注意点を年代別に解説します。
| 年代 | ポイント | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 20代 | 借入期間を最長で組める | 年収と勤続年数の審査 |
| 30代〜40代 | 勤続年数が積み上がり審査が通りやすい | 返済が続く期間と教育費がかさむ時期の重なり、46歳以降は借入期間の上限が縮む |
| 50代以降 | 自己資金を用意しやすい | 借入期間が短く毎月の返済額が上がる、老後資金との配分 |
それぞれの年代について、具体的に見ていきましょう。
20代|借入期間を長く取れる一方、年収面でのハードルがある年代
20代の最大の強みは、借入期間を長く取りやすい点にあります。
25歳で35年ローンを組んだ場合、完済は60歳です。
多くの方が働いている期間に返し終えられるため、退職後の家計に住宅ローンを残しにくくなります。
一方で、審査面のハードルは高くなりがちです。
先ほどの「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、年収を審査項目とする機関が94.2%、勤続年数を審査項目とする機関が93.9%にのぼりました。
これは全年代に共通する審査項目の割合ですが、年収も勤続年数も就業年数とともに積み上がるため、社会人経験の短い20代ほど不利に働きやすい項目です。
勤続年数の基準は「1年以上」とする機関が最も多く、転職直後は審査が通りにくくなります。
自己資金の準備状況も、20代が気にしやすい点です。
令和7年度の住宅市場動向調査によると、注文住宅の住宅建築資金は土地購入資金を除いて全国平均で5,233万円、そのうち自己資金の比率は31.2%でした。
これは全年代を合わせた平均で、年代別の内訳は公表されていません。
貯蓄にあてられる期間が短い20代では、この水準に届かないケースもあります。
20代で家づくりを進める場合は、無理のない返済額に収まっているかを軸に判断することが大切です。
見積もりまでの具体的な流れや予算オーバーを避けるポイントについては、以下の記事を参考にしてください。
〈関連コラム〉注文住宅見積もりまでの流れ|予算オーバーを避ける3つのポイント
30代〜40代|住宅取得のボリュームゾーンとなる年代
注文住宅を取得した世帯主のうち、30代と40代をあわせると全国で55.9%を占めます。
さらに新築に限ると、30代の割合は38.5%から43.6%へ高まりました。
30代〜40代は、勤続年数が積み上がって審査が通りやすく、借入期間もまだ十分に取れる時期にあたります。
注意したいのは、返済が続く期間と、お子様がいる場合、教育費がかさむ時期が重なる点です。
令和7年度の住宅市場動向調査では、住宅ローンの年間返済額は全国平均で164.9万円、年収に対する返済負担率は18.1%でした。
この返済にお子様の大学進学の費用などが加わる時期の負担を、あらかじめ見込んでおく必要があります。
もう1点注意すべきなのが、40代後半からの借入期間です。
完済時年齢80歳未満という基準のもとでは、46歳以降は借入期間の上限が1年ずつ短くなっていきます。
46歳なら34年、50歳なら30年が上限となるため、同じ借入額でも毎月の返済額は数年ごとに変わってきます。
40代で検討する場合は、退職後に残る住宅ローンの残高をどう返していくかまで含めて、資金計画を立てることが大切です。
家づくりの費用面で不安を感じている方は、以下の記事を参考にしてください。
〈関連コラム〉【建物・土地込み】注文住宅は予算いくらで建てられる?
50代以降|老後資金とのバランスを踏まえた資金計画が必要な年代
50代以降は、借入期間が短くなることで毎月の返済額が上がります。
仮に50歳で申し込む場合、完済時年齢80歳未満という基準のもとでは借入期間が30年に縮みます。
同じ借入額を35年で返す場合と比べると、月々の負担は大きくなる計算です。
ただし、この年代は自己資金を用意しやすいという強みもあります。
借入額そのものを抑えられれば、期間が短くても返済額は現実的な水準に収まります。
気をつけたいのは、退職金を返済の前提に組み込む考え方です。
退職金の額や支給時期は勤務先によって変わるため、返済原資として当て込むと計画が崩れるリスクがあります。
50代以降の資金計画では、退職までに返し終える借入額を先に決め、その範囲で建物の仕様を検討するのが安全です。
ネクストハウスでは、建築面積に応じたベース価格を明示する「オリジナルオーダーシステム」を採用しており、返済計画から逆算した仕様のご相談にも対応しています。
家づくりの資金計画から相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「家を買ってはいけない年齢」が気になる方に向けたQ&A

最後に、「家を買ってはいけない年齢」が気になる方からよくいただく質問に、家づくりのプロの視点でお答えします。
Q:20代での家の購入はリスクが高いですか?
借入期間という観点では、20代はむしろ有利な年代です。
注意すべきは年齢ではなく、返済負担率です。
令和7年度の「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、90.9%の機関が返済負担率を審査項目としており、その設定は「30%以内」以上「40%以内」以下の範囲に集中していました。
審査に通る上限まで借りるのではなく、今後の収入と支出の変化に耐えられる返済額かどうかで判断することが大切です。
Q:60代以降で持ち家を購入するのは無謀ですか?
無謀ではありません。
資金計画の立て方によっては、60代以降でも持ち家の購入は現実的に可能です。
手持ちの現金や、これまで住んでいた住宅の売却代金を、購入費用に充てる方法があります。
また、制度を賢く活用する選択肢もあります。
住宅金融支援機構の【リ・バース60】は、満60歳以上の方を対象としたリバースモーゲージ型の住宅ローンです。
毎月の支払いは利息のみで、元金は契約者が亡くなられたときに相続人が一括返済するか、担保物件の売却代金で返済する仕組みになっています。
ノンリコース型を選べば、売却代金で返しきれない分が生じても、相続人がその不足分を負担する必要はありません。
住宅購入のほか、リフォームや住宅ローンの借換えにも利用できます。
相続の方針をご家族と共有したうえで、金融機関に条件を確認すると安心です。
Q:住宅ローンは何年で返済する計画にするべきですか?
返済期間に正解はありません。
考え方として、完済時年齢から逆算し、収入がある期間に返済が収まる年数を選ぶのが基本です。
また、返済期間を長く設定したうえで、余裕が出た時期に繰上返済で圧縮する方法もあります。
毎月の返済額を抑えながら、実際に返し終えるまでの年数を短くできる進め方です。
ただし、繰上返済を行わないまま期間だけを延ばすと、利息の総額は増えます。
まとめ|家を建てるタイミングは完済時年齢から逆算して考える

「家を買ってはいけない年齢」という決まりは、制度上どこにも存在しません。
判断の軸になるのは、完済時年齢から借入期間と毎月の返済額を逆算することです。
多くの金融機関は、その完済時年齢を80歳未満に置いています。
20代は借入期間の長さを、30代〜40代は教育費との重なりを、50代以降は老後資金との配分を、それぞれ確認しておきましょう。
ネクストハウスでは、ご予算から逆算して仕様を決められる「オリジナルオーダーシステム」で、お客様に合う住まいをご提案しています。
住宅ローンを長く返していく住まいだからこそ、建てたあとの光熱費や修繕の負担も資金計画の一部です。
UA値0.46以下を目安とするG2仕様や耐震等級3を標準仕様としています。
UA値の目安は省エネ基準の地域区分によって変わるため、候補地での扱いは担当者へご確認ください。
家づくりの費用面やご年齢に不安をお持ちの方も、まずはお気軽にご相談ください。


















