目次
3階建て住宅は生活スペースが広くなることや、景観のよさが魅力です。
コンパクトな敷地であっても開放感のある生活を送ることができますし、吹き抜けなどを利用すると効率よく採光ができます。
そんな魅力の高い3階建て住宅ですが、階段の利用が生活の負担にならないかと思われるのではないでしょうか。
今回はそのような不安を少しでも抑えられるように、間取りでの対策方法をまとめてお伝えします。
ぜひ3階建ての新築計画に、お役立てください。
・階段移動の負担を減らせる間取りのポイントをご紹介します。
・ホームエレベーターのメリット・デメリットをまとめてお伝えします。
建築実例

【3階建ての家】階段の負担を抑えた間取り│デメリット対策

階段の負担を抑えた間取りを計画するために、家の中での「動線」を考慮しましょう。
動線とは、家の中での目的地を点として、点と点を結んだ線のことを言います。
動線を繋ぐと家の中での動きに無駄がなくなるので、効率のいい生活を送ることが可能になります。
洗濯の導線を繋げる

洗濯の導線とは、洗濯が完結するまでの動きを線で繋いだものです。
洗濯にはいくつかの工程数があるので、間取りによっては動線が長くなったり、家の中を行き来したりすることになります。
展望のよさから3階にバルコニーをつくっても、洗濯物を干すスペースとしては最適なのでしょうか。
濡れた洗濯物をもって家の中を移動するのは、かなりの重労働なので間取りの工夫で対策をとる必要があります。
①ランドリールームを設ける
ランドリールームとは、洗濯を1つのスペースで完結させる間取りです。
- スロップシンクで手洗いをする
- 洗濯機で洗濯する
- 洗濯物を干す
- 洗濯物を取りこむ
- 洗濯物を畳む
- アイロンをかける
上記全ての工程をランドリールームで行えるので、動線は無いに等しいといえるでしょう。
さらに洗濯物が出やすい脱衣室や、洗濯物を収納するファミリークローゼットなどを隣接させると、家事効率を大幅に上げられます。
最近では脱衣室にタオル類だけでなく、下着やパジャマなどを収納するご家庭も増えているので、ランドリールームと脱衣室を隣接させると2つの動線が繋がることになります。
②洗濯物を外干しする動線
洗濯物を外干しするための動線を繋げていきましょう。
- 洗濯物が多く出る・・・脱衣室
- 洗濯をする・・・洗濯機の設置場所
- 洗濯物を干す・・・テラス、ベランダ、バルコニー
- 洗濯物を畳む・・・リビング・和室
- アイロンをかける・・・和室・家事室
- 洗濯物を収納する・・・ファミリークローゼット・各個室
洗濯工程の中でも一番の労力は、濡れた洗濯物を干すスペースまで運ぶ動きです。
濡れた洗濯物は重さが増しますし、洗濯物を抱えたままの階段移動はかなりの負担になるでしょう。
そのため洗濯機の設置場所と洗濯物を干すスペースは、同じ階に配置するのがおすすめです。
脱衣室と洗濯機の設置場所、洗濯物を干すスペースと畳むスペースなどが、どうしても階違いになる場合は階段と隣接させて、動線を短くすることを意識しましょう。
朝の支度をする動線を繋げる

朝の身支度を整える時間帯は、家族も一緒に動くので、家の中が渋滞しがちです。
スムーズに動ける動線を整えていきましょう。
- 起床する・・・個室
- トイレを済ませる・・・トイレ
- 洗顔・・・洗面室
- メイク・ヘアセット・・・洗面室・個室
- 着替える・・・ファミリークローゼット・個室
- 食事をつくる・・・キッチン
- 食事をする・・・ダイニング
- 身支度を確認する・・・洗面室
- アウターを羽織る・・・ファミリークローゼット・リビング(一時置き)
朝の身支度の順番は個人によって大きく異なります。
生活パターンを考慮して、間取りを繋げていきましょう。
また動線を繋げるために間取りを工夫するのも大切です。
例えばファミリークローゼットの一角にドレッサーを設置すると、着替えとメイクを同じスペースで行えますし、洗面室の渋滞を回避することも、メイクをするために個室に戻る必要もありません。
またアウターを玄関の土間付近にかけておくと、出かける際にスムーズです。
帰宅したときの動線を繋げる

帰宅してからの導線もスムーズにつないでいきましょう。
疲れて帰ってきた体に、無駄な動きで負担をかけない間取り作りが大切です。
3階建ての場合、個室は3階に配置することが多いので、個室までの動線は就寝時の1回で済ませることが望ましいでしょう。
- 帰宅する・・・玄関
- 上着を脱ぐ・・・ファミリークローゼット・土間収納・個室
- 手洗い・うがい・・・洗面室
- お風呂に入る・・・脱衣室・風呂場
- 夕食をつくる・・・キッチン
- 夕食を食べる・・・ダイニング
- くつろぐ・・・リビング
- 歯を磨く・・・洗面室
- 就寝・・・個室
朝の身支度同様に、上記の動きをどの順番で行うかは個人差があります。
スポーツクラブから帰ってきたお子さんや、作業メインのお仕事で汚れがちなお父さんなどは帰宅後すぐにお風呂を済ませるパターンも少なくありません。
また帰宅後すぐに手洗い・うがいを済ませる動線を整えることは、家庭の衛生対策にもなります。
玄関ホールに造作洗面を設置するのもおしゃれですし、お客様にも利用してもらいやすくなるでしょう。
朝の身支度の際にも土間収納に上着をかけておくと、出かけるまでの動きがスムーズになるとお伝えしましたが、帰宅後も同様です。
玄関から入って上着をすぐに脱ぐことで、家の中に花粉や黄砂などをもちこみにくいというメリットもあります。

ホームエレベーターを設置する

階段移動の負担を間取りで対策しても、階段移動を減らすことしかできません。
そこで3階建ての階段移動をなくすために、ホームエレベーターの設置についてお伝えします。
ホームエレベーターを設置するメリット
ホームエレベーターを設置するメリットは、階違いへのアクセスがスムーズになることです。
階段を利用する必要がないので、買い物をたくさんして帰宅しても、妊娠中に安静を求められても、足をケガしてしまっても家の中の移動に制限はありません。
もちろん老後の生活も快適に過ごせるでしょう。
ホームエレベーターを設置するデメリット
ホームエレベーターを設置するデメリットは、コストと設置スペースにあります。
初期費用がかかるだけでなく、定期検査や電気代などのランニングコストもかかります。
またホームエレベーターを設置するには1~2畳程度のスペースが各階に必要です。
その分の生活スペースが削られるので、他の間取りに負担がかかるかもしれません。
ホームエレベーターを後付けする
ホームエレベーターは、収納スペースや吹き抜けなどを利用して後付けすることができます。
設置費用は割増しになりますが、住宅ローンの支払いが落ち着いてきた頃や、ホームエレベーターの設置に向けて資金計画をしておけばその後の生活に負担が重くありません。
お子さんが成長して家から離れると、生活スペースにも余裕が出るので、設置スペースを確保することも難しくないでしょう。
まとめ

3階建ての家は階段の移動がデメリットとしてあげられますが、間取りの作り方次第で階段の利用頻度を減らすことができます。
- 洗濯する際の階段移動が負担にならない動線を整える
- 朝の身支度がスムーズに進む動線を整える
- 帰宅時に体が休まるような動線を整える
生活のスタイルや流れはそれぞれなので、まずは家族にとって理想の動線を見付けてください。
3階建ての広い生活スペースを有効に利用できる家づくりをして、快適な暮らしを整えていきましょう。
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