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家づくりにかけられる金額は人それぞれです。潤沢な予算で大きい家を建てる人もいれば、比較的コンパクトな家を建てる人もいるでしょう。
本記事では後者、コンパクトな家を建てる人に向けて、小さい家でも快適な住まいを実現するためのコツを解説します。
・コンパクトな家を快適にする間取りのコツが分かる。
小さな家の間取りのコツ「9選」
コンパクトな家を建てる場合は、コンパクトな家を建てるための「コツ」を知る必要があります。コツを知らないまま家を建てると、生活し始めてから「こうしておけばよかった」と後悔を感じるかもしれません。
事前に小さな家の間取りのコツを勉強してみましょう。
コツ1:吹き抜けでタテ方向の広さを演出する
1つ目のコツは「吹き抜けや勾配天井を用いてタテ方向の広さを演出」することです。タテ方向に視線を誘導することで、実際の面積は小さくても広く見える間取りが実現するでしょう。
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コツ2:空間を区切らず視線を遠くに
2つ目のコツは「空間を仕切らないことで視線を遠くに導く」ことです。
リビングとダイニング。リビングと和室。ダイニングとキッチン。主要な生活空間は分けることもできますが、空間をつなげることもできます。
可能な限り、空間をつなげていくことで、タテ方向と同様にヨコ方向にも広がりが感じられ、面積以上の広さを体感できるでしょう。
コツ3:デッドスペースは有効活用する
3つ目のコツは「デッドスペースの有効活用」です。
階段の下、2階天井上に広がる小屋裏、対面キッチンのカウンター下部。実は注文住宅を建築する時、収納に適していながら、塞いでしまう部位はたくさんあるものです。
塞いでしまう理由は、奥行きが深くなりすぎて使いづらかったり、到達するためにハシゴが必要であったり様々ですが、その障壁を乗り越えれば、限られた床面積の中で収納として利用できるスペースを確保できます。
小さな家でゆったり暮らすには、整頓された部屋づくりが肝要です。収納を増やせる場所はないか、図面を見つめてみましょう。
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コツ4:リビング階段でホールをなくす
小さな家の間取り作りで大切なのは、無駄なスペースをなくすことです。「リビングに階段を設ける」ことで、別途階段を作る際に必要なホールを作らずにすみます。
リビング階段にすることで、床面積を節約できるほか、スキップフロアにして階段下を収納や書斎にする、スキップフロアの踊り場を利用して小型の書斎を作るといった、上下方向の空間を活かした楽しい家造りもできるでしょう。
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コツ5:兼用スペースを作って建坪を節約
コツ4と同様の考え方は他の場所でもできます。「兼用のスペースを作る」ことで、もっと建坪を減らしましょう。
ダイニングテーブルの近くに本棚を設ければ、ダイニングテーブルが食事の場、書斎、子どもの勉強、事務仕事などと複数の目的で利用できます。ほかにも子供部屋は区切らず広々としたスペースを確保、家具などで緩やかに仕切れば、子どもが小さい時は一緒の部屋に。大きくなれば別々の部屋に。巣立ったあとは両親の趣味用スペースとして。空間・時間の両面で様々な利用が可能になります。
1つの空間を多目的で利用することを目指して、間取りを作ってみましょう。
コツ6:引き戸でスペースを節約
一般的にドアを利用するケースが多い中で「引き戸」もスペース節約に効果的です。ドアを利用すると、開けた先は何も置けないスペースが生じてしまいます。一方で引き戸の場合は、開けた先に物を置いていても問題ありません。
ドアだけでなく、引き戸も選択肢に含めて考えてみましょう。なお、引き戸に加えて「ロールカーテン」も選択肢に加えると、建坪の節約のほか、費用の節約につながる可能性があります。
コツ7:収納で整理整頓。物を出さない生活
先述しましたが、小さな家でゆったり暮らすには「十分な収納」が不可欠です。
収納が潤沢にあれば、リビングダイニングなど物が散らかってしまいがちな間取りの物を、一括して収納できます。物を置いていない部屋は美しく、広く見えるものです。
ここで気をつけたいのは、収納の量だけを気にして、2階に大型の収納を作って満足することです。大型の収納は季節用品や思い出の品を収納するのに適していますが、日常的に使うものの収納には適していません。ティッシュやリモコン、スマートフォンや鍵など、細々とした日用品を収納する場所は、それぞれの部屋に準備しましょう。
>関連記事:リビングまわり「リビング学習」「おもちゃ」の収納のコツを紹介│片付けに必要なのは仕組みづくり
コツ8:家具は作り付けジャストサイズに
予算が許せば「家具は造作、ジャストサイズ」を目指しましょう。
空っぽの部屋に既製品の家具を置くのが、費用の面では効率的です。しかし既製品の場合、必ず壁との間に隙間が生まれてしまうので、コンパクトな家ほど隙間にもったいなさを感じてしまいます。
指定した場所にピッタリ納まる造作家具を利用して、限られた床面積を最効率で利用しましょう。
コツ9:外に開いて狭さを感じさせない工夫
コンパクトハウスでは「外とのつながり」を意識することで、狭さを感じずに暮らせます。
たとえば2階から街路樹が見える土地に建てる場合を考えましょう。1階にリビングを設けると通行人や車が気になってカーテンを締めたままになりますが、2階にリビングを設ければ街路樹の緑を見ながら窓を開けて生活できます。
ほかにも、土地と接道の間に段差がある場合や、特定の方向に視線の抜けがある場合、その方向に向かって窓を設けて、外の景色が見えるようにすると、狭さを感じにくくなるでしょう。
30坪以下のコンパクトハウス│施工事例
小さな家を建築する場合のコツを9つ紹介してきました。記事の最後に、30坪以下の比較的コンパクトな建坪で注文住宅を実現した家を紹介します。
実例の中から、あなたの家づくりに取り入れられる部分を探してみましょう。
空間使いが上手な「2階建て住宅」(28.41坪)
1つ目の事例は空間使いが上手な2階建ての事例です。
リビング階段、ソファの大きさに合わせたダウンフロア、小さな面積で設置できる壁掛けテレビと、空間を上手に使っているのが一目で分かるお家です。
キッチンとダイニングを隣り合わせにすることで家事動線を短くすることも図っており、背後にはダイニングやリビングの物を置ける収納も完備しています。
ホワイトウッド調の床面、真っ白な壁面と天井が広々したLDKを更に広く見せています。
秘密基地感のあるロフト付き「平屋」(29.93坪)
次に紹介する事例はロフトがついた平屋です。
広々としたリビング・ダイニングの横には和室が設けられていて、ワザと天井を低めに作っています。和室の上にはロフトが設けられていて、勾配天井も含めて異なる天井高の空間が複数存在することで、楽しげな空間構成になっています。
ロフトは広々した空間で、ゆっくり本を読むことも収納として利用することもできる、便利な空間です。
まとめ│小さな家でもおしゃれに住まおう
「小さな家」と聞くと、要望を我慢しながら作る住宅だと勘違いされがちですが、工夫を重ねることで我慢しない豊かな家づくりを実現できます。家をコンパクトにすることで浮いたお金は、家具家電を購入しても、子どもが大きくなったときの学費に充てることもできます。
コンパクトながら快適な家を作り、豊かな生活を実現しましょう。
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